早期アクセス直前!『Elona』超待望の続編『Elin』は面白さと自由な精神を引き継ぎ、操作性や遊びやすさが向上―11月1日から新たな“伝説”が始まる【β版プレイレポ】
Game*Spark / 2024年10月27日 16時0分
ゲームクリエイターのnoa氏(Lafrontier)は、ローグライクRPG『Elin』のSteam早期アクセスを2024年11月1日からスタート予定です。
本作は、2007年に公開され人気を博したフリーソフト『Elona』の続編タイトル。前作の、自由でカオスな、プレイヤーの思うままにファンタジー世界で生活できるローグライクRPGの魅力はそのままに、拠点の建築やサバイバルなど、多くの点をパワーアップさせた作品です。
プレイヤーは、物語の舞台となる「イルヴァ」と呼ばれる世界に冒険者として降り立ちます。この世界で冒険や戦闘はもちろん、暴虐非道の限りを尽くす悪党になったり、無数の「妹」に囲まれて楽しく過ごしたり、プレイの幅に縛られない自由な生活を楽しめます。
本稿では、いよいよ早期アクセスが迫る『Elin』について、Kickstarterキャンペーンバッカーの筆者がベータ版のプレイレポートをお届けしていきます。
ついに登場した『Elona』待望の続編!
“『Elona』の続編タイトル”の歴史は長く、noa氏によれば、その構想やプロジェクトとしての『Elin』に関しては、10年以上前まで遡ることになります。2012年には『Elin』というタイトルがnoa氏の立ち上げたホームページ内でも確認できています(現在は閉鎖、インターネットアーカイブで確認可能)
その後もいくつかのプロジェクトを経て、2024年11月1日に早期アクセスでリリースされる現在の『Elin』については、2019年にアルファ版が公開されて大きな話題になりました(当時のタイトルは『Elin's Inn』でした)。その後、2022年にはSteamストアページもオープンしています。
2023年5月にはKickstarterキャンペーンをスタートし、開始わずか46分間で目標額を達成。およそ12時間後には、目標額の4倍を超える2,000万円の支援を集めています。最終的な支援金額は、目標額の12倍以上となる約6,350万円で、予定していたすべてのストレッチゴールを達成しています。
早期アクセス版では、サンドボックスゲームとしてプレイアブルな状態で、メインおよびサブクエスト部分は序盤コンテンツのみ実装。およそ1年間から2年間の早期アクセス期間を予定していて、正式版に向けて各コンテンツを充実させていく計画ということです。
丁寧なチュートリアル!もちろん無視するのも自由
※各ゲーム内容およびスクリーンショットはベータビルドを使用しているため、早期アクセス版と異なる可能性があります。
本作はまず、主人公のキャラメイクから始まり、キャラクターの名前や性別、年齢のほか、種族とクラス、さらに“異名”を決めていきます。種族とクラスによって筋力や魔力といったステータスのほか、武器技能や料理などのスキルが大きく異なります。さらに、種族とクラスごとに得られる特性も用意されています。
基本的にほとんどの部分で後天的に能力を獲得・育成できるゲーム(初期装備部位が少ない種族もあり)ですが、選んだ組み合わせによって当然得意とするプレイスタイルは変化します。また、前作から追加された種族・クラスもあり、その選択肢はさらに拡がっています。あとランダムで表示される“異名”には、絶対にこだわりましょう!
ゲームは主人公が「ノースティリス」という土地に流れ着き、倒れていたところをエイシュランドとフィアマという2人組に助けられるシーンから始まります。2人からはプレイヤーの拠点となる土地の確保や生きるための最低限の方法を学べるチュートリアルが用意されています。
『Elin』では、慣れなければ主人公は簡単に死んでしまいます。うっかり強敵に挑んで倒される、空腹で餓死する、重いものを持ちすぎて潰される、スタミナを超える作業をして過労死する、死因はさまざまです。今書いたのはわかりやすい方の死因でもあり、NPCが引き起こすカオスで巻き込まれることだって珍しくありません。
これらのリスクを回避したいのであれば、まずは2人のチュートリアルを進めていきましょう。頼りになる相棒(猫や犬、妹まで!)や、さまざまなレシピもゲットできますよ。もちろん、これらのクエストを無視していきなり世界への冒険に出るのも自由です!
UIなど多くの面で遊びやすい
プレイヤーは、2人組からのクエストの一環としてとある洞窟に挑むことになりますが、いきなり向かったら確実に命を落とすことでしょう。まずは最低限の冒険や探索に耐えられるために、自身や拠点、装備品の強化を行うことが先決です。
ノースティリスの各地には多くの街や拠点があり、NPCから依頼を受けることで、お金やスキル強化用のアイテムなどを入手できます。また、ゲーム中で木を切る、特定の武器を使うなどの行動によってスキルはどんどん成長していきます。行動の結果はログが残るので、ある程度は状況を掴みやすいでしょう。
筆者が感じたのは、前作『Elona』と比べて、移動方法を含め格段に操作性が現代向けになっているなという部分です。前作は、あらゆる行動でショートカットコマンドを覚える必要がありました(クイックメニューもありましたが、覚えたほうが便利でした)。『Elin』では、ほとんどの行動をマウス操作でストレスなく行えるようになっているのです。
特にホイールクリックがとても優秀で、それぞれのNPCやオブジェクトなどに合わせたコマンドを選択できます。そのほかにも、ガードマンに話しかければ自動的に目標人物まで移動できたり、アイテムやクエストなどのUIを表示・調整できたりと、色々な面で遊びやすくなっています。
もちろん、そういった変更点がゲームとしての自由度や面白さを損ねているわけではありません。前作同様に好きなプレイスタイルを貫けますし、魔法やクラフトなどのコンテンツが大幅に強化され、新たな選択肢も多く用意されています。クォータービュー視点になったことにも違和感がなく、冒険や探索も楽しめます。
遊び方は人それぞれ。さあ自由な旅へ!
今回のプレイで筆者は、手先の器用さに長けた組み合わせを選びました。拠点建築や冒険、クエストなどをこなしながらスキルを新たに覚え、拠点の住民を増やしながら発展させ、のんびりと世界を楽しみながら遊んでいます。
本作は、拠点内のNPCに仕事を与えて素材の収穫やアイテムの生産なども可能です。NPCの持つ能力や趣味に合わせて適切な準備をする必要があるので、クエストで世界を巡りながら「あいつにこれを買って帰ろう」など、拠点の主としてのちょっとしたロールプレイのようなものも楽しめます。
個人的に、拠点内チェストに入れたアイテムならインベントリから高速で収納してくれる「自動整頓」がオススメです。『Elin』の基本的なクラフト(溶鉱炉などは除く)は、チェスト内のアイテムを参照できるので、大量に使う素材などをある程度適当に入れておいても一気に整頓できるのは助かります。
とても面白いアイテムが「家具徴収チケット」です。これを使うことで犯罪にならずに街の家具を入手できるというもの。例えば、ゲーム内では一定期間中に税金を払う必要があり、特定の街に行かなければなりません。しかし、街にある「とあるアイテム」さえ手に入れれば、自宅で納税できるようになるのです。
今回少し紹介したのは、あくまで筆者のプレイスタイルの範囲内のもの。発想がゲームの面白さにダイレクトに伝わる作品です。自分で世界を巡り、発見し、自由な旅を楽しみましょう。ちなみに、本作は『Elona』の30年前が舞台なので、前作であった多くの街が存在しています。巡っているだけでも楽しい……!
『Elin』は、前作『Elona』の面白さの精神をしっかり引き継ぎ、大きく遊びやすさを向上している作品です。己をひたすら鍛えて冒険を楽しむ、拠点をどんどんカスタマイズしていく、考えうる限りの変わった攻略を狙う、どんなプレイでも不正解はなく、こだわり抜くのも楽しみのひとつです。
2007年に公開された『Elona』は多くのプレイヤーとファンを生み出した、“伝説”ともいえる作品です。その『Elona』の待望の続編がいよいよ早期アクセス間近です。アルファ版およびベータ版どちらもプレイしましたが“伝説”の続きを楽しめそうな予感たっぷりです!『Elin』は、2024年11月1日にSteam早期アクセスがスタート。価格は2,980円を予定しています。
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