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運送車・公道最速伝説。頭文字はたぶんP!『プニヒ運輸(仮)』で「まさかそれでレースすんの?」って車を使い爆走しろ!【東京ゲームダンジョン6】

Game*Spark / 2024年10月29日 20時0分


筆者は実は昔、配達業やってたんです。すごく大変な仕事でした。その経験を元に、Game*Sparkでも配達が主なゲームプレイである『DEATH STRANDING』のちょっとした記事を書いたりしたこともあります。


最近のインディーゲームを見ていると、「おお、こんな日常生活を題材にしたりこんなゲームになりにくそうなテーマでもゲームになるんだな」というタイトルが増えていて楽しくなります。筆者なんかは『Lake』のような配達業がテーマになったゲームを見かけるとつい気になっちゃうんです。


そんなことを思いながら東京ゲームダンジョン6を歩いておりますと、なんだか「普通のゲームぽいけど普通じゃないなにか」としかいえないオーラのあるゲームが。なになに? ……『プニヒ運輸(仮)』? まさかついに日本でも運送業が題材となったゲームが出てきたのか? でも他の人が遊んでる画面を見るとトラックがドリフトしてるんだけど

インディーゲーム展示イベント「東京ゲームダンジョン」現地レポート記事はこちらから!

醒めちまったこの街に……熱いのは……プニヒ達の(一応の配達の)DRIVING……


いきなり実際の配達作業中でやったら即座にクビそれどころか警察沙汰なドライビングシーンに衝撃を受けましたが、とりあえず本作のジャンル自体はレースゲーム。しかし、扱う車はほぼバンやトラックなどの一般車。まるで地方の道路で見かける風景がそのままレースになったような世界なのです。


いや、実は車道が空いている地方のほうがガチガチにチューンナップした車が登場する率は少なくないんですけども。それはともかくとしてなぜに一般車でレースをしているのか?


日本で20代の自動車保有率が45%前後になり、また収入としても高額なスポーツカーを購入するのが難しくなった時勢を反映しているのか? と思わなくないですが、そういうことでもないようです。


この世界が特殊なのは、どうやら「プニヒ」という丸いゆるい生物が支配している世界ということ。たぶん人類の歴史が終わり、プニヒの世界なら配達用の車でドリフトしてもレースしても捕まらないってことでしょう。たぶん。


操作はシンプル。ギアチェンジなしでアクセルとブレーキを使って運転するもの。一応クラッチもあるんですけど、本作ではドリフトをやるために使うものです。


実際にプレイしてみるとカーブに差し掛かかったときにクラッチを踏んでドリフトするのが面白いんです。面白すぎてバンに積まれた荷物が確実にダメージを受けるだろうなという物理法則も忘れるくらい面白い(本作は別に荷物が痛むとかのペナルティはないですよ)。


筆者は配達時代、へんなカーブの曲がり方をするとかバックで移動したとか変な運転をするとトラックから「注意してください」という音声が流れるという、「2001年宇宙の旅」で宇宙船を支配するマザーコンピューターみたいな車に乗って作業していたことを思い出すのですが、どうやらプニヒたちの世界ではあんま気にせず爆走しろ!ということらしいです。なにせニトロも積まれていて、ストレート一本の道になったときに使い切れ! ってゲームデザインにもなっていますから。これがプニヒたちが見出した新世界の交通ルールか……。


………熱い風に溶けてく………………プニヒ伝説の始まりを告げる……インタビュー


真面目な話、ゲーム自体はまるで90年代のアーケードにて、人気レースゲームの筐体で走るような快感に満ちている手触りでした。


このあたりの作りこみに関して、221Gamesの離水ひつじ氏にインタビュー。筆者は『プニヒ運輸(仮)』の衝撃のあまり、90年代に発売された伝説のレーシングRPGに出てくる登場人物風の喋りになってしまいましたが気にせずお読みください。


ーー……気鋭のGame Makerでもある221Gamesが、前作はRobot Gameの『プニヒローダー2』をMakeしたことは知っている……その鮮烈な衝撃……甘美な世界のままに……まさか配達業という現代世界のインフラを担う世界をなぜ作ろうとしたんだろうか……今も、私の試遊した右手が震えてる……まるで初恋がStartするかのような世界を……。


離水氏:もともと私たちのチームはロボットのゲームを作ろうという感じで集まったところがあるのですが、車も好きだったんです。そこで車のゲームを作って遊びたいなと思っていたことと、「ロボットゲームばかり作っていると、ちょっと飽きるな。別のゲームも作ってみたいな」というのがあったんです。


今回『プニヒ運輸(仮)』ではハンドルコントローラーを実際の試遊で展示するゲームを作れないか、というところからスタートしています。


ーー……その誇り高きConceptは成功していると思った……ドリフトした快感で駆動した心臓の鼓動が今も体を揺らしている……そのインパクトは、東京Game dungeon 6の中でも隕石が地球に落ちてきたみたいに…… “衝撃”だった……。


離水氏:ありがとうございます。もともとレーシングカーではなく、一般で走っている車が好きなんです。私が『プニヒ運輸(仮)』の担当で、そういう車をデザインしてみたい気持ちがあったのと、趣味の話なんですけど一般車を改造する文化が好きというのもありました。いろんな出自や文化、背景を持つ車を集めて、「こういう車もあるんだ」という風にできたらと考えています。


ーー……プニヒという、 “天使性”を出すキャラが運送業をやる世界は……まるで世界の “大きな物語”が終焉したあとの “ポストモダン”な美しさに満ちている……彼らが荷物を配達するセカイとは…… “大きな物語が終わった後の「島宇宙」としての物語ーーつまりーー日常 ”ーーそれを描くことで旧来のレースゲームのセカイに対するカウンターを思わせた……鮮烈さに、目が、眩むほどに……


離水氏:一応カバーストーリー的に、荷物を運ぶための車をベースに出していきながら、レーシングカーやスポーツカーっぽい車も出していこうと思っています。『Euro Truck Simulator』のような運送ゲームというよりは、どちらかというと『リッジレーサー』のようなカジュアルなレースゲームになるかなと考えています。このゲームの世界設定としては、運送業を置いているかたちですね。


ーーなるほど。そういう運送業の世界設定も込みで一般車が好きということですね(笑)


離水氏:そうですそうです。商用車っていわれるような車が好きです(笑)


ーー……『プニヒ運輸(仮)』を試遊してみて……まるでタイムマシンに乗ったようだった……運転のあいだ…… “心”が “時”を超越して90年代のある日のデパートで『セガラリーチャンピオンシップ』に触れていた時のような “悦楽”を感じていた……221Gamesの皆様も……そうしたアーケードレースゲームの “甘美”、 “快楽”、 “自由”、 “未来”、 “挑戦”をFeelingされていたのだろうか……


離水氏:私はアーケードで『頭文字D THE ARCADE』や『湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE』を学生時代にかなり走りこんでいたので、そういう感覚で『プニヒ運輸(仮)』をリアルなイベントで皆さんにアーケードゲームみたいに遊ばれると面白いかなと思って作ったところはありますね。


ーー……理解、つまりUnderstandしたよ。『プニヒ運輸(仮)』……つまり “頭文字P”でもあるってことに……レーシングゲームのMEMEを継承した “快楽”がゲームデザインされている……疾走する “点P”……


『プニヒ運輸(仮)』はこうした背景も込みで開発される、特殊なアプローチのレースゲームということには違いありません。


本作はまだSteamのストアページは開設されていないようですが、続報は221GamesのX公式アカウントをフォローすることで追っていけるでしょう。「問題:公道の数百メートルにあるゴールを、ニトロを積んだ一般の商用車である点P(プニヒ)が走ったとしたら何分何秒で到着するか答えよ」という問いの答えを「……算数でレースの“感情”の答えなんて、出るわけがない……レーシングは学校のExamじゃない……」と思いながら完成を待ちましょう。

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