封建時代街作りサバイバル『Sengoku Dynasty』目指せ平和に人々が暮らす「平民の持ちたる国」!正式版の追加要素もゲームに目標を持たせてくれる【クラフトサバイバル名鑑】
Game*Spark / 2024年11月17日 17時0分
今やPC/コンソール/モバイルそれぞれのプラットフォームでサバイバルジャンルの作品は定着していて、多くのプレイヤーがさまざまな世界を舞台にサバイバルを楽しんでいます。
Game*Sparkでは【クラフトサバイバル名鑑】として、同ジャンルが好きな筆者が、定番作品を中心にクラフトサバイバルジャンルの作品の魅力を紹介・解説しています。今回紹介するのは、2024年11月8日に正式リリースを迎えた、封建時代街作りサバイバル『Sengoku Dynasty』です。
戦乱に巻き込まれた主人公は理想の土地を目指す
『Sengoku Dynasty』は、ポーランドを拠点とする開発スタジオSuperkamiが手がける作品(パブリッシャーは『Medieval Dynasty』なども担当するToplitz Productions)。同デベロッパーのCEOは以前にFailcoreというスタジオを設立し、2019年に『Invisible Fist』をリリースした経歴があります。
2021年12月に公式トレイラーが公開され、2023年8月10日にはPC向けの早期アクセスをスタートしています。その後はアップデートを重ね、2024年11月8日にPC向け正式版をリリース。さらに2025年にはコンソール向けの展開もアナウンスされました。日本でもH2 INTERACTIVEより、PS5版のリリースが決定しています。
本作の舞台となるのは、封建時代の日本。戦乱に巻き込まれ、戦に引き裂かれた地“那谷”に辿り着いた主人公が、人々が平穏に暮らせる土地を作り上げるために奮闘します。そのために村を作り、人を集め、危険を排除しながら、人々の尊敬と素晴らしい集落を目指さなくてはなりません。
庶民の生活や文化に大きく注目しているのが特徴で、開発チームは網野善彦氏の「歴史を考えるヒント」などの書籍や専門家のアドバイスを元に、当時の歴史や民俗をリサーチしています。その成果はゲームだけでなく、公式デジタルブック「Scrolls of Sengoku Dynasty」などにも活かされています。
正式版となる1.0アップデートでは、新たにゲーム内に「大名システム」と呼ばれるエリア平定要素を導入。盗賊や略奪者との戦いを経て“那谷”の土地を平和にしていく目標が追加されています。また、ゲーム内にロマンス要素が導入され、将来的に子どもを後継者として指名できるシステムの開発も進行中です。
「平民の持ちたる国」を目指して
正式版では、まずプレイヤーがキャラクター制作できるようになっています。項目としては性別と数種類の顔・髪・髭や傷やそばかす、髪の色といった内容で、現段階ではあまり自由度は高くありません。青い目なども選べるので「流れ着いた外国人」みたいな雰囲気も出せますね。
物語は、主人公が“那谷”に流れ着いたシーンから始まります。まずはチュートリアルとして、同じく近くの浜辺に流れ着いていた阿子を救い、暮らせる家を探すまでのチュートリアルを進めていきます。基本のクラフトや村の作り方など、ある程度の導線もあるので、あまり迷わずに進められると思います。
本作の主人公は戦乱に巻き込まれて住処を追われた人間で、侍以外も平和に暮らせる「平民の持ちたる国」を求めて彷徨っていました。そんな中で“那谷”は、民によって領主が排除された侍のいない土地であり、主人公の理想に近い場所であることが判明するのです。
しかし、現実として“那谷”は戦乱によって各地が荒れ果てており、また、領主のいないことで蛮族たちも多く移り住んでいます。主人公は「平民の持ちたる国」を目指すため、自分の村を作り、周辺の脅威を排除し、“那谷”の人々に認められていかなければならないのです。
ちなみに、15世紀後期の加賀がかつて「百姓の持ちたる国」として、農民や僧侶が領主を倒して国を治めたという歴史があり、本作では“那谷”の設定に大きく影響を受けています。ゲーム内でも村の開拓許可に僧侶の了承が必要です。
村の発展に人の力は欠かせない
『Sengoku Dynasty』の建築は最初にブループリントを設置して、その中に必要な素材を投入する方式。家や採集小屋といった施設を作るためには、大量の木材や石が必要ですが、幸いこの土地は緑に溢れているので困ることはありません。また、主人公の初期位置に近い廃村からも多くの素材を獲得できます。
村作りで大切なのは「村人に仕事を与えること」です。ゲーム内では、建てた施設に応じた仕事を与えることが可能で、例えば木こり小屋なら丸太を集めたり、丸太を加工して板を作ったりできます。もちろん仕事には専用の道具も必要ですが、しっかりと働いてくれるので頼りになる存在です。
村人はメインのチュートリアルの中で最初に阿子を誘えますが、そこからはほとんど自分で探さなければなりません。“那谷”では、いたるところに浮浪人が生活していて、プレイヤーは彼らを見つけて誘うことで、新たな村人となってくれます。人が増えれば当然やれることも増えていきます。
プレイヤーの「ダイナスティレベル」が上がれば、新たな施設が作れるようになり、拠点はさらに発展していきます。道具作りと資材集めを組み合わせれば自動生産のようなことも可能に。ただし、村人の幸福を守るためにも寝床や食事、水、温かさなどの項目を満たすことも指導者の務めです。
また、初期設定ではゲーム内は4日間で次の季節へと移行します。季節が変われば採れるものも変わりますし、雪が降る冬になれば備えも大切です。どうやって村人に幸福を与えて発展していくか、しっかりとしたプランニングも重要ですね。
新要素で生活はよりボリュームアップ
早期アクセス時代初期の『Sengoku Dynasty』は、敵対生物の脅威も低く、かなりのどかな作品でした。2024年8月のアップデートでは“ソウルライクな戦闘メカニクス”が導入されるなど、戦闘関連が大幅に見直されるなどの改善が行われていますが、それでも比較的単純な内容だったのは否めません。
正式版では「大名システム」により、戦闘関連にさらなる要素が加わっています。ゲーム内では各地域にボスの根城があり、彼らを倒すことで地域解放の条件のひとつを満たせるようになります。当然ながら拠点にはボス以外にも多くの敵がいて、一筋縄ではクリアできません。
そのため、拠点をアップグレードして金属製の武器を作ったり、スキルを向上させて基礎能力を上げたり、敵に見つからないような場所から弓矢で攻撃して少しずつ削ったり、さまざまな方法が必要です。ボスは最初のエリアでもそれなりに手強いので、入念な準備を行いましょう。
地域のボス撃破と、特別な建築物を復興することでエリアを解放することで、その地域は特産品が産出するようになり、村の生活はさらに安定します。時間制限などはないゲームなので急ぐ要素ではないのですが「目標」がより大きく定められたことで、プレイヤーに遊びやすさが加わった印象です。
もう一つの大きな新要素である恋愛は、ある程度ダイナスティレベルを上げる必要があります。また、ロマンスクエストを進行させるためにはかなりの資材や財産が必要なので、こちらを進めたい場合はしっかりと拠点の産業を発展させ、近くの村と交易したりしながら稼ぎましょう。
封建時代の日本を舞台にした『Sengoku Dynasty』は、街作りと生活シミュレーション要素が融合した作品です。それぞれの要素は比較的オーソドックスなもので、クラフトサバイバルジャンルが好きな人であれば、ヘルプもあるので迷わずにプレイできると思います。
「同じ道具を複数持てば壊れた際に持ち替えてくれる」「ファストトラベル(お金が必要)」など、この手のゲームに欲しい機能も備えています。NPCの挙動などおかしな点も多かったのですが、アップデートでかなり改善されています。早期アクセス初期から比べると、ゲームの雰囲気を変えずに大きな進化したのを感じます。
正式版になったことでゲームは完成ではなく、今後は子どもへの継承システム、自動生成型のクエスト導入、敵の襲撃、新たなマップや動物の追加など、多くの機能追加が計画されています。マルチプレイでも楽しめるゲームなので、フレンドを誘って自分たちの「平民の持ちたる国」を作るのも面白いかも知れませんね!
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