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西洋チャンバラ対戦『Hellish Quart』にストーリーモードが追加!?剣術ゲーなのに馬を操作できるぜ【年末年始特集】

Game*Spark / 2024年12月28日 20時0分

西洋剣術ゲーム『Hellish Quart』。日本ではあまり馴染みのないヨーロッパの古式フェンシングを再現した作品として、根強いファン層を抱えています。


本作は現時点でまだ早期アクセス作品。開発者のKuboldにはスタッフが2人しかいないため、スローペースの開発を余儀なくされているようです。それでもゲームの規模は着実に大きくなり、今ではプレイヤードキャラの一人「ヤツェク」のストーリーモードの一部を遊ぶことができます。


ところが、このストーリーモードは『Hellish Quart』のゲーム性を大きく変える内容です。


遺言状を巡る物語


1622年、ポーランドのプシェミシル。この町のとある屋敷で、ヤツェクとタルナフスキーが剣術の練習をしていました。それが終わるとタルナフスキーが話を切り出します。「今日中に俺の伯父が治める村に行ってほしい」。


というのも、タルナフスキーの伯父さんはもうそろそろ天に召される状態で、土地の後継者はもちろんタルナフスキーが指名されている……と言いたいのですが、何と伯父さんは「お天気屋」とのこと。ちょっとしたきっかけで遺言状を書き換える可能性があり、友人のヤツェクにそうしないよう見張ってほしいと頼みました。


なぜ、タルナフスキーがそれをやらないのか。


「俺は遺産相続人だからな。伯父さんの死の床にいると、いろいろ疑われちまうだろ!」


た、確かに……。というわけで、ゴリラみたいな体躯のヤツェクさんは馬に乗って旅に出ます。


馬を操作できる!


『Hellish Quart』は一対一の格闘ゲーム。お互い向き合って剣で相手を攻撃するというゲーム内容です。


ところがストーリーモードでは、「ヤツェクの騎乗する馬」を操作できます。道中の移動は省略されず、完全にプレイアブルです。馬を走らせることもできるぞ!


現在普及している一人称視点操作とは異なり「視点の回転」ができないものの、左のジョイスティックもしくはキーボードのWASDで馬を自在に動かすことが可能。いや、これが結構楽しいんです! 途中で橋を見つけたのはいいけれど、橋は崩落して渡れない、仕方ないから回り道を探すしかない……という流れまでちゃんと表現されています。


道を進んでいくと、何やらガラの悪い連中が。連中曰く、


「この先はマリナ・ルディツカさんのショバだ!」


とのこと。マリナとは最近アップデートされた、盾を持った女性剣士。どうやら、ヤツェクのストーリーモードではマリナがボスのようです。


17世紀に栄えたポーランド・リトアニア共和国


ヤツェクのストーリーは、一言で言えば「タルナフスキー伯父VSマリナの領土争い」。当時のポーランドからウクライナに渡る一角を舞台にした、規模の小さい争い事が題材になっています。


17世紀初頭のヨーロッパには、ポーランド・リトアニア共和国という巨大国家が存在しました。現在のポーランド、ベラルーシ、ウクライナの大部分を統治し、1,200万人の人口を抱える多民族国家です。ヨーロッパ全土を惨禍に陥れた三十年戦争に参加しなかったことが奏功し、ヤツェクが生きていた時代には国家としての最盛期を迎えていました。


そして、『Hellish Quart』自体が「ポーランド・リトアニア共和国領内の剣術を再現する」というコンセプトで開発されています。


イタリアンレイピアやスパニッシュレイピア、ルネサンス期に隆盛を迎えたフィオレ・ディ・リベリの長剣術を扱う剣士もいますが、最も多いのはポーランド・リトアニア共和国領内出身のオッサン……もとい、剣士の皆さんです。彼らは三十年戦争という17世紀最大の大戦に巻き込まれなかったからこそ、剣の腕を磨いたりその技術を後世に伝えることができたと言えます。


粘土斬りもできるぞ!


さて、このストーリーモードにはちょっとしたミニゲームも実装されています。それが「粘土斬り」です。


ヤツェクが粘土の塊を剣でカットするというものですが、これが地味に科学的だったりします。刃の角度が少しでも狂うと、粘土は「ベチャッ」となってしまいます。「スパッ」とカットするには、正しい角度で剣をスイングしなければなりません。


硬いものを「引く力」で斬るのが日本の剣術なら、柔らかいものを「絶妙な角度」で斬るのが東欧のサーベル剣術です。実際に、ヤツェクが繰り出す「下方向からのフォアハンド斬撃」は、我々が再現してみると「刃を立てる角度」に難儀すると思います。ただの棒をフォアハンドで振り上げるのは簡単ですが、剣には刃というものがあり、それを相手へのダメージが見込める角度でスイングするとなると手首の柔軟性が求められます。


「肩腕(かたかいな)」で振り下げる動作を多用する日本剣術には、あまりない発想です。


今後も追加予定


そんな『Hellish Quart』は、今後もヤツェクを含めた各キャラのストーリーモードを充実させるとしています。


少人数での開発のため、進捗にかなりの時間がかかっている状態ですが、その分だけ剣士のアクションのクオリティは世界各国の武術家も驚愕するほど。現代のオリンピックフェンシングにはない「剣を持っていない手で相手の利き手を押す」というアクションも可能です。


これは筆者が学んでいる詠春拳にもある概念で(一般的に「アームトラップ」と呼ばれています)、ヤツェクのストーリーモードのボスであるマリナは、掌よりも遥かに大面積の盾でこの動作を行うことができます。そのため、盾を持たない剣士よりもアームトラップがスポスポ決まります!


人間工学に基づいた西洋剣術ゲーム『Hellish Quart』で、正月の暇な時間を乗り切りましょう!



【2024年~2025年】Game*Spark年末年始特集はこちら!

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