リメイク版も発売される『フロントミッション サード』の魅力を伝えたい!テンポのいい戦闘や「天網」の楽しさは今も健在【年末年始特集】
Game*Spark / 2024年12月29日 13時0分
Forever Entertainmentは、シミュレーションRPG『フロントミッション サード:リメイク』をニンテンドースイッチ向けに発売予定です。
本作は、1999年にプレイステーション向けに発売された『フロントミッション』シリーズのナンバリング第3作『フロントミッション サード』のリメイク作品。オリジナル版をベースに映像の品質を高めるだけでなく、ゲームプレイをアップデートしたHDフルリメイク作品です。
舞台は前作から10年後の世界。日本の横須賀で発生した爆発事故を起点に、主人公と仲間たちが世界を巻き込む大きな陰謀へと立ち向かいます。大きく世界が分岐する「ダブルフィーチャー・シナリオ」や、パイロットの乗り降りが重要な「ディスチャージ・バトル・システム」など、さまざまなシステムも特徴的です。
本稿では、リメイク版を前にプレイステーションのオリジナル版で魅力を紹介していきます!
冒頭から“二度と交わらない”2つの物語に分岐
本作の物語は、謎の研究施設による会話と、アラスカにある軍の研究施設で発生した襲撃事件といった一連のムービーシーンから始まります。その後は緊迫した場面から一転し、2112年の沖縄、シリーズおなじみの霧島重工の試験場にてテストパイロットの主人公・武村和輝(名前変更可能)がヴァンツァーを操作するシーンへ移ります。
最初はチュートリアルとして、ヴァンツァーの移動や攻撃方法などを学んでいきます。いくつかの戦闘終了後、和輝の親友で同じくテストパイロットの草間亮五との会話が発生します。ここの会話で亮五の仕事に「付き合う」「付き合わない」で、物語は大きく2つのストーリーに分岐するのです。
この選択肢では、物語の重要人物であるエマとアリサという2人の女性の運命が大きく変化します。分岐したストーリーはその後決して交わることがなく、独自の物語と結末を描き出します。これが本作の「ダブルフィーチャー・シナリオ」と呼ばれるシステムです。
物語は「M.I.D.A.S.」と呼ばれる科学技術、あるいはそこから生まれる強大な破壊兵器を中心に展開していきます。そこには日本をはじめとした各国や組織の思惑が交錯していきます。分岐したシナリオでは、仲間になるキャラクターや展開、その結末も大きく異なっていくのです。
パイロット乗降システムが面白い!
戦闘はターン制のシミュレーションで、ほとんどのステージで敵を全滅もしくは目標達成でクリア。戦闘後は結果によって評価が変化します。本作は自軍の出撃数が最大4人で、マップも比較的ミニマムなため、かなり展開の早いバトルになることが多めです。移動・攻撃・反撃にはAP(アクションポイント)を消費します。
戦闘の主役となるヴァンツァーは、銃や近接、ミサイルなど多彩な兵器が装備可能で、機体ごとに大きく運用が変わります。もちろんパイロットの技量やスキルなどでもその強さは変化しますし、地形の高低差利用なども重要な戦略です。敵はヴァンツァー以外にも戦車やヘリなども運用してきます。
機体はボディ破壊で撃破となるほか、脚なら移動速度ダウン、腕なら装備した武器が使用不可に。逆にシールドを装備すればある程度のダメージコントロールもできます。さらに、戦闘内では混乱や気絶といったステータス異常が発生することも。常に変化する戦場で臨機応変に立ち回らなければ簡単に倒されてしまいます。
重要なステータス異常に、攻撃時にパイロットが機体から降ろされる「強制排出」があります。排出されたパイロットは期待に再搭乗する手間がありますし、生身を狙われる危険性も。プレイヤーは排出された機体にパイロットが搭乗することで、その機体を奪うこともできるのです。
スキルの中に「強制排出」を発生させるものもあり、ボス以外の戦いで使用するとものすごい戦果を発揮します。他にも「戦意喪失」したパイロットを投降させることでもヴァンツァーを入手可能で、資金稼ぎやパーツ取りにも利用できます。マップ内で鹵獲したさまざまな機体を使用することも可能です。
もちろん「強制排出」はプレイヤー側で発生することも。そうなると1ターン損をすることになってしまいます。
シンプルで幅広いカスタマイズ
戦闘間のインターミッションでは、ヴァンツァーのカスタマイズが行えます。ヴァンツァーはボディ・左腕・右腕・脚・バックパックとパーツ部位と、それぞれの腕の手と肩に武器を装着できます。パーツや武器ごとに重量も異なり、出力以上の装備は行えません。
『フロントミッション サード』では、パーツごとにパイロットが習得できるスキルが設定されています。序盤のパーツでも便利なスキルを習得できるものがあり、HPや命中率などの改造も可能なので、後半加入キャラにも運用できるのも大きな強みです。また、鹵獲できれば序盤から強力なスキルを得ることも可能です。
ミニマムな戦場もゲームが進むと敵の数が増え、どんどん激しさを増していきます。こちらは少ない人数を活かすため、いかにして効率の良いダメージを与えるか、敵の数を減らしていくかということを優先に考えなくてはなりません。そのため、ややスキルや一部の武器依存になるところもあります。
とはいえ、シンプルにスキルを発動させまくって暴れるのは本作の醍醐味です。スキルが発動すれば連続攻撃ができるので、コストの低いスキルを多く積んで敵を一度の戦闘で破壊することもできます。改造すれば継続して使えるパーツも多いので、自身のコンセプトにあわせた部隊編成も楽しいですね。
見どころたっぷりの「天網」が面白い!
本作ではゲーム内のネットワークを使った機能が多く、メールのやりとりや企業のフォーラム、ちょっぴりアンダーグラウンドな世界を閲覧できる「天網」があります。この「天網」が絶妙に昔のインターネット感を感じさせてくれ、見ているだけでも面白いのです。
アクセスできるフォーラムは国と所属などに分かれています。中にはダウンロードできるデータもあり、ネットワーク画面の壁紙や、シミュレーションで使用できるステージデータなどが得られることも。ストーリーの中でアクセスパスワードやURLを入手できることもあります。
「天網」は、細かいニュースや企業ごとのトピックス、ちょっとした会話などかなり作り込まれています、中にはシリーズ前作に関するものなどもあり、読めば読むほどいろいろな情報が楽しめます。ゲームとしては、さまざまな組織が表向きに発表する情報と、ストーリー内で明らかになっていく真実との差も面白いものです。
また、ネットワークを通じて買い物や改造も可能で、ゲームとしても非常に頼りになるツールです。上手く世界観と繋がり、ロアとしてもツールとしても非常に面白い要素です。
『フロントミッション サード』は、これまでのシリーズ2作とやや雰囲気は異なるものの、豊富なカスタマイズや激しい戦闘、人間ドラマなどが楽しめます。テンポの早い戦闘は、ストーリーの続きをどんどん読みたくなり、2つの大きな分岐するシナリオをたっぷり楽しめます。カスタムやスキル設定の面白さなど、シリーズ作品としての確実な進歩を感じる一作です。
筆者もシリーズで好きなタイトルなのですが、それゆえに今後リリースされる『フロントミッション サード:リメイク』への興味は尽きません。これまでのリメイクは戦闘面での変化が大きかったので、オリジナル版『フロントミッション サード』のカメラワークなどがどうなるかは気になる部分です。柵越しの射撃とか障害物に沿って動くミサイルなんかも、かっこいいんですよね。
『フロントミッション サード:リメイク』はニンテンドースイッチ向けに発売予定です。
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