「コミックマーケット105」インディーゲームブースレポート! 昔ながらのイベントで出会った魅力的な作品を3本ピックアップ
Game*Spark / 2025年1月2日 12時0分
12月29日と12月30日の2日間、東京ビッグサイトで行われた大型同人イベント「コミックマーケット105」では、「同人ソフト」というジャンルにて数多くのインディーゲームのブースが出展されました。本記事では会場で見つけた気になる同人ゲームを3点ピックアップし、ブース全体レポートをお届けします。
『Near-Death-Expedition』
『Near-Death-Expedition』とは『縋想』プロジェクトが開発するSF×VTuber×終末世界アドベンチャーゲーム。
終末世界を旅する新人VTuber「終乃りんね」をプロデュースする本作では、りんねに動画の企画提案からメンタルケアまで行う「通話モード」と、通話にて練った企画を元にりんねが動画サイトで配信する「配信モード」が用意されています。
ゲーム内のアバターは「Live2D」で制作されているほか、ASMRの要素も含まれており、実際に配信を観ている感覚でゲームを楽しめるよう工夫されています。
開発者は、本作制作の前からゲームで描かれるVTuberの扱われ方に疑問があったとのこと。「実は好きなVTuberが隣の席のクラスメイトだった」……といったように「現実」と「虚構」の中間に位置するはずのVTuberが、多くの作品で現実側に寄せられていることにもったいなさを感じ、制作に至ったそう。
本作ではSFのテーマを取り入れることで、VTuberをより「虚構」に近い存在として捉え、「VTuberを推す」とは何か、改めて考えることができる内容になっているとのことです。
『Near-Death-Expedition』は通販とSteamにて近日中の発売が予定されています。
『PRJ rain(プロジェクトレイン)』
『PRJ rain(プロジェクトレイン)』(仮題)は、梅雨をテーマにした3Dドットイートゲーム。「Kawaii」をテーマにゲーム制作を行う同人チーム「クレアクラン」が開発しています。プレイヤーはナメクジとカタツムリを足して割ったようなキャラクターを操作し、敵にぶつからないようにしながらフィールド上のドットをすべて集め、クリアを目指します。
ゲームの特徴として、キャラクターが通った道には「ぬめり道」がひかれ、これを使うとツルツル滑るように素早い移動が可能になります。一方で敵も同様に「ぬめり道」をひくため、効率的にドットを集めるためにはぶつかるリスクを考えつつ、相手のひいた「ぬめり道」を利用していく必要があります。
ステージには3Dドットを活かした視界を遮る曲がり角などの構造があり、この先に何があるのか予想しながら進んでいく鬼ごっこのような緊張感を楽しめる作品となっています。
なお梅雨をテーマに描いた本作では、季節ならではのキャラクターデザインやゲーム性、雨上がりの神秘的な朝を思わせるグラフィックや世界観へのこだわりが随所にちりばめられているとのこと。
本作のリリースは2025年夏を予定しており、Steamでの配信とコミックマーケットでのパッケージ販売を計画中。夏になったら、季節感にマッチした本作をぜひ手にとってみてはいかがでしょうか。
『レッドアノマリー』
『レッドアノマリー』は、個人ゲーム開発者・熾嶺真希氏が開発を行う3Dシューティングゲーム。サードパーソン視点を採用し、ダンジョン探索やクラフト素材の収集、アイテム作成を通じてゲームを進めていきます。
開発者いわく、本作最大の特徴は銃のカスタマイズ。プレイヤーが自分好みのカスタム銃を作成可能で、サプレッサーやマズルブレーキなど、多彩なパーツを自由度高く組み合わせてデザインや性能を変化させられます。特に銃の外観にこだわりを持つゲーマーにはぴったりの作品となっています。
赤いビジュアルが印象的な主人公は、ゲームタイトルにもなっている本作のテーマ「レッドアノマリー」を象徴しているそう。この言葉は、本作の世界観のバックボーンとしている「SCP財団」に関する用語「レッド・リアリティ」からヒントを得たものとのことです。
現在は怪異や怪奇現象、モンスターなど、SCPの世界観に触れる要素を随所に組み込んでいるとのことで、これらはゲームを進める中で徐々に明らかになり、物語を深く掘り下げる要素となっていくそう。SCPファンにも響く作品を目指して開発しているとのことです。
『レッドアノマリー』はSteamでのリリースを予定して鋭意開発中とのことです。
2024年、筆者はデジゲー博や東京ゲームダンジョン、東京ゲームショウのインディーゲームブースといった多くのインディーゲームイベントの取材を行ってきました。それらのイベントと比べると「コミックマーケット105」のインディーゲームコーナーは、全体的にノベルゲームの出展割合が比較的高く感じられた上、ゲームキャラクターのビジュアルも2000年代のノベルゲームのようなイラストが数多く見受けられました。
あらゆるインディーゲームイベントが出展者、来場者数ともに盛況を増す中で、コミックマーケットのインディーブースは2000年代を思わせる魅力を20代の筆者に与えてくれました。インディーゲームイベントに興味のある方はぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
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