映画「ボーダーランズ」ネタバレなしレビュー!キャスティング以外は徹底したゲーム再現で原作ファンなら十分楽しめる
Game*Spark / 2025年1月23日 12時15分
人気FPSハクスラゲームを原作とした映画「ボーダーランズ」が1月24日よりAmazonプライムビデオで配信開始となります。
原作ゲームの世界設定やビジュアルを忠実に再現した本作を試写で見ることができましたので、どのような映画に仕上がっているのか、ネタバレなしでのレビューをお届けします。
鬼才監督が撮る「ボーダーランズ」の世界
映画「ボーダーランズ」を監督したのは、「ホステル」シリーズで名を上げ、「食人族」の精神的リメイク「グリーン・インフェルノ」など問題作を手掛けたイーライ・ロス。本作では、ゲーム『ボダラン』1作目のプレイアブルキャラでその後のシリーズにも登場する“リリス”を主人公としたストーリーが展開します。舞台はおなじみの辺境惑星パンドラで、ゲームシリーズに登場するキャラクターたちが登場。しかも日本語吹き替え版はゲームと同じ声優陣が参加しているので、ゲームシリーズファンならより楽しめる構成となっています。
ストーリーは、「アトラス社の社長から“娘のティナを誘拐犯から取り戻してほしい”と依頼されたアウトローのリリスが、故郷である惑星パンドラに再び足を運び、様々な困難とヒャッハーな展開に立ち向かう」という内容です。
原作再現がすごい! が、だからこそ生まれる違和感。
本作には『ボダラン』第1作目のプレイアブルキャラである、リリス(演:ケイト・ブランシェット/声:今井麻美)、ローランド(演:ケヴィン・ハート/声:平川大輔)、スピンオフゲームも展開しているタイニー・ティナ(演:アリアナ・グリーンブラット/声:秋乃 ※旧芸名は春井柚佳)、パトリシア・タニス(演:ジェイミー・リー・カーティス/声:武田華)などが登場。各キャラクターの衣装や装備している銃器のビジュアルは、ゲームにかなり近いデザインとなっています。
また主要人物の中に『ボーダーランズ2』のDLCから登場するマトモ(?)なサイコのクリーグ(演:フロリアン・ムンテアヌ/声:浜田賢二)がいるというのも、なかなかマニアックなチョイスです。ちなみに映画のリリスはブラドフ製のインフィニティ武器を装備しています。
「ボーダーランズ」において、サイコ軍団と並ぶ魅力のひとつが「大小さまざまな原生生物」だと思いますが、本作でもリリスたちに立ちふさがる形で登場。ほかにもゲームでおなじみのビークルも登場します。
ただ、リリスを演じるケイト・ブランシェットは現在50歳。映画でも非常にクールでベテラン感のあるリリスを演じきっていますが、ゲームだともっと若い雰囲気であったため、原作プレイヤー目線で観てしまうと少し違和感を覚えるかもしれません。タニスもジェイミー・リー・カーティスが演じたことでかなり年齢が上がったように感じます。
一方で、ゲームのマスコットキャラ(?)であるクラップトラップが、非常に正しい描かれ方になっているのは本作において大きな見どころです。シリーズを通して愛されるサンドバッグ・クラップトラップの憎らしくも愛らしい立ち振る舞いは映画でも健在。小物感溢れるセリフをはじめ、皆から雑に扱われたり銃撃でハチの巣になったりしてもなんだかんだ壊れないという原作通りのキャラクター性が映画の良いスパイスとなっています。
映画では、今やゲーム映画俳優となりつつあるジャック・ブラックが演じており、ゲームでの独特なセリフ回しを完璧に再現しています。そして日本語吹き替えはゲームと同じく高木渉が担当しているので、完全にゲームから抜け出してきたかのようです。ちなみにクラップトラップ視点の表現は原作プレイヤーならニヤリとしてしまうかも。
原作ファンが見たい映像を見せてくれる作品だが、映画としてはゲーム再現が足を引っ張っている?
本作はゲーム『ボーダーランズ』の映画化となるので、ゲームでも味わえる“撃ちまくり”要素を取り入れたアクションが展開します。ただ、きちんとゲームのアクションを再現しているがゆえに一部のガンアクションシークエンスが単調になってしまっているのは原作ファンとしてはちょっと複雑な気持ちになります。
また、現実に即した要素があるSF作品は観客も自分の体験に置き換えることができるので比較的感情移入しやすいのですが、原作『ボーダーランズ』の特徴である“登場人物全員どこか頭のネジが飛んでいるキャラクターたち”や丁寧に設定が作り込まれている惑星パンドラなど、一本の映画にしてしまうと少し説明不足になっている印象を受けました。逆に『ボダラン』の情報が頭に入っている原作ゲームのプレイヤーなら、この映画の物語はすんなり入りこめるでしょう。
本作はAmazonプライムに加入していれば見放題で視聴可能なので、原作ゲームファンは見逃さないようにしましょう。ちなみに、Amazonプライム・ビデオではドラマ版『Fallout』も配信中。一斉を風靡したRPGシューターの映像化作品が同じ配信サービスの独占コンテンツとしてラインナップされているのは、なかなか面白い状況です。
映画「ボーダーランズ」は1月24日よりAmazonプライム・ビデオで配信予定です。
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