【現地取材】オープンワールドサバイバル『Once Human』新シナリオは日本ユーザーの声で前倒しになった!?中国・杭州市で行われた発表会の模様をお届け
Game*Spark / 2025年1月25日 22時0分
中国杭州市にあるネットイース(網易)本社にて、NetEase Gamesが手掛けるオープンワールドマルチプレイヤーサバイバルゲーム『Once Human』における2025年のシナリオおよびモバイル版に向けてのメディア向け説明会が行われました。
『Once Human』は、2024年7月にPC版がリリースされた基本プレイ無料のオープンワールドサバイバルゲーム。超自然的な存在「デビアント」「デビエーション」などが存在する世界でPvEにPvP、サバイバルクラフトなど様々な要素が詰まった冒険を楽しめます。今まではPCのみを対象としていた『Once Human』でしたが、モバイル版の展開でさらに盛り上がりを見せそうです。
そんな中、今回のメディア向け発表会では2025年の『Once Human』プランに加え、ネットイース社内で行われた開発者インタビューが実施されました。本記事ではその模様をお届けしていきます。
◆カスタムサーバーに新シナリオ「コードネーム:カタルシス」「コードネーム:デビエーション」、そして待望のモバイル版まで!
2025年のプランとして本発表会で明かされたのは、カスタムサーバーシステムの実装、新シナリオ「コードネーム:カタルシス」「コードネーム:デビエーション」。そしてモバイル版についてです。
PvEシナリオ「コードネーム:カタルシス」は徐々に広がる、汚染エリア「異化区(仮称)」を除去していくモード。「異化区」ではテレビをモチーフにしたエリアが展開され、「異化格(仮称)」を除去していくことで人類に有利なエリアを確保、最終戦までに優位な状況を作ります。本シナリオはこれらの進捗次第で展開が変わるマルチエンディング形式となっており、シナリオの結末にどのような脅威や展開が待ち受けているのか、期待が高まります。
そしてPvEシナリオ「コードネーム:デビエーション」ではプレイヤーがデビエーションの専門家になり、各地で様々なデビエーションを確保したり、融合などを始めとした育成を行ってデビエーションチームを結成していきます。このチームで他のプレイヤーやNPCとアリーナで戦い、チャンピオンを目指すというのが「コードネーム:デビエーション」の目的! 『Once Human』の目玉とも言えるデビエーションに深くフォーカスしたモードと言えるでしょう。
さらにはプレイヤー待望のカスタムサーバーも実装されます。こちらではサーバールールを参加人数、継続時間、資源の生成効率などを自在にカスタマイズ可能です。将来的にはさらに細かく調整可能になるようで、プレイヤーの発想次第で様々なことが実現できそうです。
モバイル版ではマルチプラットフォームとしての役割のほか、スマホゲームとしても展開していく意気込みが語られました。新たな試みとして「ノンUI没入サバイバルモード」という、オートピックアップなど操作の要らないシステムを採用し、“スマホ画面でのUI表示を最小限に抑える取り組み”が紹介されました。
実際にモバイル版をプレイしてみても、カクツキなどは一切なし。初めからスマホでリリースされていたかのような印象を与えてくれました。PC環境で遊んでいなかったという方も、これを機にプレイしてみてはどうでしょうか。
◆日本・韓国ユーザーの反応から前倒しとなった「コードネーム:デビエーション」!モバイル版についても聞いてきた
続いては開発者インタビューをお届け。今回の取材でメディアからの質問に回答していたのは、リードゲームデザイナーでありサバイバル要素にまつわる開発を担当するXu Enbo氏、モバイル版でリードゲームデザイナーを担当するSun Xiangyu氏、グローバルリードマーケティングマネージャーLiu Jiahao氏。なお、回答はチーム一同のものとしています。
――PC版が2024年7月からリリースされて半年ほど経ちますが、今現在の反響についてはどのように捉えられていらっしゃいますか。
『Once Human』チーム:本当にありがたいことに、リリース当初から世界各地でたくさんのユーザーに支えてもらっており光栄に思います。その中で頂いたお声もしっかりフィードバックとしてゲームに反映・修正しているつもりではあります。
開発の進捗で言いますと、実は今日まで皆さんに遊んでいただいてるものは、リリース当初からほぼある程度は完成できているコンテンツなのです。それらが市場で良い結果を出せているということで、今後もコンテンツ開発を頑張りたいと考えています。Steamでも好評を頂けていることや、直近でリリースしたシナリオも日本ユーザーから良い感想を頂けているのが嬉しい点ですね。
新しいシナリオに関しても、単純なPvP、PvEではなく多種多様な遊び方を用意していく予定です。今後モバイル版を出すことによって、いろんな端末、いろんな場所でゲームを楽しんでいただけるようになるのではないでしょうか。
ちなみに、今日発表した2つのシナリオ「コードネーム:カタルシス」「コードネーム:デビエーション」は、本来はこのタイミングでの実装をする予定じゃなかったんですよ。
しかし日本および韓国のユーザーさんがデビエーションに興味を持っていただいて、「これをメインテーマとしてシナリオを作ってくれ」 という声から予定を変更し、「デビエーションというシステム」を拡張して実装することになりましたね。
――ということは、日本と韓国ユーザーの声が開発に届いて、反映された結果ということですね。
『Once Human』チーム:もちろん日本だけでなくグローバルに皆さんの声を聞いてはいますけどね。毎週、定例会議で色んな言語のフィードバックをみんなで分析して議論しています。私たち自身に対しての反映もありますし、アドバイスから「この機能楽しそうだね」という新しい発見もあります。今後も引き続き、日本を始めとした世界中のファンの声を聴き、今後のコンテンツ開発に注力していきたいです。
――あらためて、サバイバルクラフトと超自然的な存在「デビエーション」というSF要素が融合しているのが『Once Human』というゲームです。このデビエーションはゲーム内でどのように活かされているのでしょうか?
『Once Human』チーム:『Once Human』では、日常で触るコップや椅子、その全てがデビエーション、つまり異常な存在である可能性があります。それらは各々違った法則性をもっているので、ゲーム内では見つけたデビエーションを拠点に収容して特性を活かす形でクラフトに反映していきます。ステータスアップだったり冒険につれていったりと、“超自然的な存在”がクラフトサバイバルに役立つわけですね。
――シナリオ「コードネーム:デビエーション」およびデビエーションのコンセプトについてお聞きしたいです。
『Once Human』チーム:制作チームが全員、都市伝説や超自然といったアンナチュラルな存在が大好きで、“日常の中にある非日常的な異変”をコンセプトに「デビエーション」という存在を制作しました。そして「コードネーム:デビエーション」ではこのデビエーションがメインとなります。
具体的な機能について、また後ほど発表する形になるのですけども、例えば、2つの違うデビエーションを融合して新しい何かに進化させるだとか、それを集めて1つのチームとして相手と戦うとか、色んな形でデビエーションを主役とした遊び方を研究・開発しているところです。
デビエーションは個々に特殊能力を持っていて、本当にバリエーション豊かです。大きくご紹介すると、メインの戦闘と探索、そしてクラフトの3つで役立ってくれることが多いですね。戦闘では盾を作ってくれたり、治療をしてくれたり。自分のステータスをアップしてくれるデビエーションもいます。
デビエーション収容の仕方も様々で、普通に戦闘で確保することもあるし、特定のミッションで得られるモノもいます。ショッピングしていたら電子回路関連のデビエーションと出会えるかもしれないなど、出会い自体が様々なんですよ。それで、これはどんな特徴を持っているのか、どう使うのかと考えるのも楽しみのひとつですね。
――今回発表されたカスタムサーバー機能は、ユーザー主導での自由度の高い展開となるはずです。その中で開発陣としてはどのような使い方を想定されているのでしょうか?
『Once Human』チーム:日本のユーザーさんはとてもクリエイティブ性が高いので、私たちの想像を超えてくると確信しています。その土壌を用意したうえで、どのように想像を超えてくれるのかと楽しみにしている状況ですね。
――以降はモバイル版に関しての質問となります。UIを表示させない「没入サバイバルモード」開発のきっかけについてお聞かせください。
『Once Human』チーム:まず「没入サバイバルモード」開発のきっかけについてですが、これは「スマホでもオープンワールドを観察して楽しみたい」という方が結構多かったところですね。スマホですと、PCと比べて画面が小さいのはもちろん、細かいUI、コマンドの存在が大きい制約になります。ユーザーからすると、もしかしたら何をするべきかわからなくなる可能性もあるので、最小限の操作、移動と簡単な戦闘を出来るようにして、まずこの世界を楽しんでいただきたいと考えてこのモードを制作しました。
どちらかというとオープンワールドを気楽に散歩したり、他の方の世界にお邪魔して写真を撮ったりとか、そういったところで活きるでしょう。特に日本ユーザーはマルチプラットフォームでゲームを遊んでらっしゃる方も多く、複数のプラットフォームで楽しんで頂けるようになったのではないでしょうか。
――モバイル版CBTでのフィードバックおよび、それを踏まえた改善点を教えてください。
『Once Human』チーム:CBTでのフィードバック反映はまず、皆さんの端末に最適化していくところですね。様々な端末で遊んでもらえて、その中で「今回のCBTは自分の端末で遊びづらかった」という声に対応しました。それを踏まえ、リリースバージョンはCBTより、さらに多くの端末に対応しています。
続きましては、操作にまつわる点です。いろんなことをモバイル端末で行わなければならないので、「操作してて疲れる」というお声もいただきました。それで先ほどご紹介した「没入サバイバルモード」も改善策として生まれたのですが、通常モードでもゲーム内UI配置などを始めとし、プレイヤーの皆さんが疲れないように調整中です。
最後はチュートリアルです。やはりPCとスマホを比べると操作も大きく変わりますので、ちゃんとチュートリアルで理解できるようにヒントの導き方も調整しています。
――モバイル版リリースで新しいユーザー層も増えると思うのですが、どのようなプレイヤー層を想定していますか?
『Once Human』チーム:「既存のPCユーザーへの新しいプラットフォーム」というのも今回の目的ではあるんですが、特に日本に関しては「オープンワールド」「MMO」「サバイバルクラフト」「FPS」という大きな4つのジャンルのファン層に響くのではないかと思っています。『Once Human』は様々な楽しみ方が出来るので、特にこれらが好きな方は気軽に遊べるのではないでしょうか。
――PvPなどでの“PC版ユーザーとモバイル版ユーザーの差異”についてはどうお考えでしょうか?
『Once Human』チーム:PvPは「同じプラットフォームで同じサーバーで遊んでいただく」ことが前提にはなります。その上でやはりPCの方がUIなどを表示しやすいし動きやすいことは確かです。しかしなるべく、先ほど研究した機能などでスマホ版のユーザーも楽しめるようにしています。もちろんユーザーがそれぞれ慣れた端末で遊んでいただくことが可能なので、どちらかと言いますと「選択肢を増やしたい」と言う形で考えています。
補足として、『Once Human』はPvPと言ってもFPSシューターのような“撃ち合いがベースとなるタイプのPvP”じゃないことは言っておきたいです。むしろ一緒に基地をクラフトしたり、あるいは先に完成させたりだとか、そういうオープンワールドでのリソース管理が重要になっていきます。もちろん今後シューターをテーマにしたモードを実装するかもしれないので、それに向けてモバイル版でのフィードバックを反映していきたいですね。
――最後にモバイル版のリリースを待っているプレイヤーに向けてコメントをお願いします。
『Once Human』チーム:日本は昔からのゲーム大国なので、私たちも尊敬してやまないクリエイターの方々も多くいらっしゃいます。ですので必然的に日本ユーザーの方々はゲームに対して求める点が高く、『Once Human』はそれを踏まえて日本のユーザー皆さんにも満足していただけるような作品として制作しました。ぜひ一度体験していただけると嬉しいです。
今後、ゲームに関してのアドバイスであったりとかフィードバックなどがありましたら、私たちも真摯に対応していくつもりです。「一緒にゲームをより遠くまで作っていけたら」と思っていますので、ぜひモバイル版『Once Human』についてもよろしくお願いします。
――今回は、ありがとうございました!
提供: Netease Games
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