【特集】いやぁこの度は誠に申し訳ねぇ!エクストリーム謝罪アクション『超土下座』で心とごめんなさいを学んだプレイレポ
Game*Spark / 2025年1月26日 11時0分
土下座――それは足を揃え膝をつき、丸めた背中から流れるように手指そして額を地面に擦り付けることで謝罪の意を表す行為。お正月もとうに過ぎ去り、春の足音を遠くに聞かんと耳をそばだてる今日このごろ、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回はSun Studioが、2025年1月20日にSteamにてWindows向けにリリースしたエクストリーム謝罪アクション『超土下座』をご紹介してまいります。
『超土下座』とは?
本作は、シンプルな操作でテクニカルな謝罪を繰り出していく土下座アクションゲーム。ステージクリア方式で進行し、シチュエーションごとに難易度の異なる複数のステージをクリアしていきます。後半になるにつれ多少手こずる部分もありましたが、全クリまでだいたい1時間半程度。腰砕けゲームかと思いきやどっこい、サクッと遊べてクスッと笑みが浮かぶほどよいプレイフィールでした。
ただ表裏一体の感想として、本編ステージだけだと物足りなさが残ります。もし今後アップデートがあれば、ステージ選択やエンドレスモード、またはステージエディタといった機能が追加されると嬉しいな、とも思いました。
操作・設定・言語について
本作の操作はキーボードおよびマウスです。スペースキーまたは左クリックで身体を屈伸して土下座するだけなので、カメラ移動等も無いシンプル潔しな操作です。その他設定項目についても簡素そのもの。言語はもちろん日本語対応です。
本編開始
さあ始まりました『超土下座』。さっそく今日も西へ東へ謝罪して参りましょう。
まずはチュートリアルということでこの世界の基本を学びます。操作は至って簡単で、スペースキー(左クリック)を長押しして構え、離してジャンプ、以降は適宜キーを押して回転を加え最後に頭を擦り付けて土下座の完成です。
飛ぶ必要があるのかとか、空中で回転する意味あんのかとかそういう無粋なことを考えてはいけません。この世界においては回転数がそのまま謝罪の深さとしてスコアに計上されるのです。スコアって何だ(発狂)。
スコアとは、美しい所作をもって完成された土下座に対して与えられるものであり、着地までの回転数が多ければ多いほど良しとされます。クリア条件には、一定以上のスコアが設けられているので、積極的に大車輪して行くとよいでしょう。「回転に敬意を払え」ということですね。
ともあれ実際にやってみます。こちらは練習ステージということで、まずは椅子の上に立ち、背筋をピンと伸ばします。なんで?
そして膝をやわらかく使い、軽やかにジャンプ失敗……したたかに頭を打ち付けましたが大丈夫!まだ行ける、まだリカバリー可能!!
本作の世界において土下座とは、数秒以上の静止をもって完成します。そのため画像のように地面をうねうね蠕動(ぜんどう)している間は判定待ちということで、多少のお目溢しが発生。だいぶ無理をしているように見えるかもしれませんが、ここから立て直してこそ立派な謝罪に繋がりましょう。
そんなわけで細かくキーを叩いて弾みをつけたら、座ったままの姿勢でジャンプを繰り出し一回転。
壁にバウンドさせることでちょうど良い位置でポーズを固めることができました。
謝罪成功です。記憶を振り返り、あのときに書類不備で問題起こしたの実は私なんです誠に申し訳ないと心のなかでも土下座しながらリザルト画面を見ると、姿勢、相手、スコアにそれぞれ「◯」がついていますね。
「相手」とは、読んで字が如く謝罪対象のことです。正しい土下座は、姿勢良しスコア良しに加えて、相手がきちんと存在していることで成立するのです。
しかしこの相手の存在が、土下座にテクニカルアクションを要求してきます。
御覧ください、謝罪の勢い余ってドロップキックしてしまいました。姿勢もよろしくありません。労基署もびっくりな労働環境で働いていた頃、理不尽な叱責に頭を下げるその後ろで中指を立てていた若造は誰あろうこの私です(ごめんなさい)。
ともあれ本作では土下座に相手を巻き込んでしまうのはご法度。仮にこちらの姿勢が完成しても、相手が倒れていたら謝罪の儀は成立しないのです。
着地時の勢いを削ぐため、お次はひねりを加えて飛びかかったものの……
バグで地面にめり込みそのまま落下。
しかし回転の判定は生きているのでスコアだけが無限に加算されていきます。これはチャンス!このままなんとか着地を決めて史上最高の謝罪スコアを叩き出してやりましょう。
なんで?
そうなんです。この相手の存在がなかなかに曲者なんです。どうやら相手は視線でこちらの動きを追っており、場合によってはそのまま姿勢を崩し、その反動で地面を跳ね回る謎挙動が発生するのです。そうなればもちろん土下座失敗判定。プレイ中の個人的な経験から申し上げると、土下座完成までの経過時間が長くなるほど相手の足腰に問題が発生する印象ですね。
また文字通り障害物の存在が、土下座の難度をさらに引き上げます。こちらの画像の場合、電線が障害物として配置されています。
触れるとこのように即死。他にも「こちらを殺しにきている」トラップがいくつか登場するので、我々も命がけで謝罪をしなければなりません。艱難辛苦を乗り越えた先に到達する土下座の美学にこそ本作の真髄がありましょう(?)。
話はめちゃくちゃズレますが、私がかつてデスマーチが日常茶飯事な企業で働いていた頃、難癖因縁をつけて友人まで侮辱するなどしてガスライティング行為をしてきた相手がいましたが、人事部を通して後からきっちりケジメ案件で処した記憶が蘇ります。土下座でも許さないレベルで。
さらに話はズレますが、心に浮かんだ「ありがとう」と「ごめんなさい」は素直に相手へ伝えたいところです。その際の心の抵抗については、前者は照れくさい程度ですが、後者は勇気を振り絞るレベルのこともありましょう。場合によっては十字架を背負ってしまうこともあるかもしれません。
しかしそれでも謝るタイミングを拗らせてしまうと、無理くり理由をこねて存在を無かったことにしようとしたり、最悪の場合俺は悪くねえだってヴァン先生が状態になったりして精神衛生上たいへんよろしくない。見ないふりしても結局いつかは対峙せにゃあならんのです。ならんかった、もうほんっときつかった。何の話だ。
事実として、何らかの理由で、自分に起因する問題から相手に迷惑をかけた時、ぐえーっとなる感情や思い込みなどは一切脇において、その事実に基づき迅速に対応して謝罪を添えることができたら、むしろ信用回復につながることが多かった感触(多少ダメージはあるものの、全ロスにはならなかった……!)。また相手や周囲がそもそも気にしてないパターンも多かったですしね。だから何の話だ。
そんなわけで(?)、本作のエクストリーム謝罪には、時には許されないこともあれど、それでも謝ってスジを通すことの大切さなど、何かと学びが多いことと思われます。
ちなみに謝罪成功時に流れるボイスについて、「申し訳ございませんでしたぁ!」とか「もう二度としません!」とかはまだ良いのですが、「ひぃぃひぃぃいふぐぅぅぅぇぇぇ(嗚咽)」については、オメーは社会人としてそれで良いのかと思わせる悲哀があって吹き出しました。
ゲーム進行に合わせてひとつの物語が浮かび上がってくるステージ構成という、意外なところで巧みなゲームらしさを発揮している本作。やらかし続ける我らが主人公が行き着く先は一体どこになるのか……ここはひとつ筆者が土下座をして引き受けるので、読者のみなさんも是非本作をプレイして続きを確認してみてはいかがでしょうか。
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タイトル:『超土下座』
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対応機種:Windows PC(Steam)
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記事におけるプレイ機種:Windows PC(Steam)
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発売日:2025年1月20日
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著者プレイ時間:1.5時間*
*短っ!と思われるかもしれませんが、意外とステージクリアに手こずっても全体的にサクッと遊べました -
サブスク配信有無:無し
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価格:700円(2024年01月28日まで630円のセール中)
※製品情報は記事執筆時点のもの
スパくんのひとこと
土下座という物理攻撃を仕掛ける好機スパよ!
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