[総体]野洲初戦はPK戦、主将の駆け引き勝ち
ゲキサカ / 2014年8月3日 3時57分
[8.2 全国高校総体1回戦 野洲高 1-1(PK5-4)開志学園JSC高 韮崎市営総合運動場]
夏の高校日本一を争う平成26年度全国高校総体「煌(きら)めく青春 南関東総体2014」サッカー競技は2日に山梨県の各地で1回戦を行い、韮崎市営総合運動場の第2試合では野洲高(滋賀)が1-1で突入したPK戦の末に開志学園JSC高(新潟)を下した。
序盤、野洲はゆるやかなパス交換でリズムをつかみに行ったが、出足が鋭かったのは開志学園だった。前半11分、開志学園は右CKから主将のMF伊藤大貴(3年)がヘディングシュート。相手最終ラインにハイボールを触らせてセカンドボールから2次攻撃を仕掛ける戦術も奏功し、15分にはFW染野伸也(3年)がドリブルを仕掛けたところで倒されてPKを獲得。DF高橋颯人(3年)が決めて開志学園が先制した。
野洲の山本佳司監督は「序盤は、徹底したロングボールで苦しめられた。久々の感覚だったけど、うちの課題を突かれたのかなと思う」と苦笑いを浮かべて試合を振り返った。その後は互いにチャンスを迎えたが、どちらも決められなかった。野洲は23分にドリブラー村上魁(2年)の浮き球のパスに抜け出した山元壮太郎(1年)がシュートを狙う惜しい場面があったが、クロスバーの上。開志学園は右MF関瑞樹(3年)のドリブル突破からラストパスを染野が狙ったが、ゴール左に外した。直後の32分には野洲のチャンス。村上のドリブルからパスを受けた林雄飛(2年)がシュートを放つ。ここは相手GKに防がれたが35分、山元のアシストからMF田畑翔伍(3年)がゴール右へ決めて同点に追いついた。
1-1で折り返した試合は、後半に入っても一進一退の攻防は続いた。開志学園は左スローインを受けた上口玲央(3年)のターンボレー、高橋の左からのFKに染野が飛び込む攻撃でゴールに迫った。一方の野洲は、後半に入ってから中盤が活性化。後半8分に左DF近藤響(2年)のパスから平石健祐(3年)がシュート。12分には、村上がひとりで持ち込んでシュートを放ち、その場面で生まれた右CKの流れから右DF江口太誠(3年)がフィニッシュを狙ったが、GKに防がれた。
開志学園も17分にMF石塚功志(2年)が相手GKからCBへのつなぎをインターセプトする絶好機があったが、シュートはわずかにゴールの右。続けて19分、関のクロスから染野がGKと接触しながら押し込んだが、ファウルの判定となった。24分、石塚のドリブルから縦パスを受けた染野が狙ったが、これはGKに防がれた。結局、両チームとも勝敗を分ける1点が奪えず、勝負はPK戦に持ちこされた。
ここで活躍を見せたのが野洲のGK小倉将司(3年)だった。なかなか相手のシュートを触れずにいたが、3本目はコースに飛んだ。小倉は「相手は全部同じコース(右)に蹴って来ていた。でも、4本目は試合中のPKを蹴って来た選手でキックに自信がありそうだったから、そこはあえて外して左に飛んで5人目で勝負した」という駆け引きを仕掛け、5本目で見事にシュートをストップ。勝利を手繰り寄せた。
野洲は、あす3日に行われる2回戦で徳島市立高(徳島)と対戦する。山本監督は「一戦一戦という気持ち。この時期は、まず自分たちの力を出していくこと。主導権を握る試合をしたいし、技術とセンスを武器にやるということを表現したい。今日の得点シーンのように、個人技と連係が絡むような場面を作りたい」と次戦に向けた抱負を語った。
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 平野貴也)▼関連リンク
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