[総体]ユース取材ライター・森田将義氏が選ぶ大会MVP、ベスト11、ベストマッチ
ゲキサカ / 2014年8月10日 15時2分
渡辺星夢(前橋育英高、3年)
「身体能力の高さを活かした1対1が光った左SB。正確な左足キックとロングスローで攻撃の起点にもなった。得点力でチームを牽引した、もう一人のワタナベ・MF渡邊凌磨の活躍に目が行きがちだが、後方で攻守を支えた彼の存在も忘れてはいけない」
▽MF
鈴木徳真(前橋育英高、3年)
「絶妙なポジショニングを活かした守備と、柔らかいタッチから繰り出すパスが魅力のU-18日本代表。高校3年間で『人間的に一回り大きくなれた』と話す通り、緊張しがちな大会初戦から自然体のプレーを貫き、チームの4強入りを支えた」
増山朝陽(東福岡高、3年)
「人並み外れた身体能力の高さと抜群のスピードを活かし、右サイドを何度も切り裂いた高速アタッカー。大会前から、複数のJクラブ熱視線から集めるなど有力選手の一人として知られる存在だったが、今大会でブレークスルーし、一躍、全国区に躍り出た」
葛谷将平(大津高、3年)
「巧みな位置取りと身体使いでボールを引き出し、小回りの効いたボールキープとターンで力強く前進するアタッカー。バイタルエリアに入ってからは積極的なミドルシュートを狙うのも特徴で、4試合連続ゴールを奪って、大津の歴史を塗り替えた」
赤木翼(東福岡高、3年)
「東福岡伝統のサイド攻撃を支えた左ウイング。単騎で繰り出す突破はもちろんだが、『(中島)賢星が持った時に動き出す意識は持っているし、(増山)朝陽が持った時は中に入る動きを意識している』との言葉通り、周囲との阿吽の呼吸も目を惹いた」
▽FW
平野皓巴(長崎海星高、3年)
「スピードの加減速と強さを活かしたドリブル突破で、相手ゴールに向かうFW。大会直前まで股関節を痛めていた上、初戦では足の甲を負傷。本調子ではなかったが、準々決勝の仙台育英戦で4得点を奪い大暴れ。チーム初の8強入りに導いた」
前田翔吾(鹿児島実高、3年)
「INAC神戸の前田浩二監督を父に持つ191cmの大型ストライカー。デカいだけでなく、機動力も備えた好素材だったが、これまでは実戦で力を発揮出来ていなかったが、今大会ではポストプレー役としてしっかりと仕事をこなし、名門復活に大きく貢献」
●ベストマッチ
3回戦:初芝橋本高 2-3 大津高
「見事な逆転劇で東福岡高がタイトルを掴んだ決勝戦、ハイレベルな攻防が繰り広げられた準決勝の大津高対前橋育英高など熱戦が多かった今大会の中でも印象的だったのがこの試合。大津らしい巧みなパスワークからのサイド攻撃で前半のうちに2点先取するも、後半はMF渡辺淳揮、FW末吉塁の2枚看板を起点にイケイケの攻撃を繰り出した初芝橋本高が一気に同点に。最終的には大津が勝ち越しに成功したが、互いの持ち味と意地が感じられる見応えのある試合だった」
[写真]森田氏が東福岡で最も貢献度が高かったと評す赤木
執筆者紹介:森田将義(もりた・まさよし)
1985年、京都府生まれ。路頭に迷っていたころに放送作家事務所の社長に拾われ、10代の頃から在阪テレビ局で構成作家、リサーチとして活動を始める。その後、2年間のサラリーマン生活を経て、2012年から本格的にサッカーライターへと転向。主にジュニアから大学までの育成年代を取材する。ゲキサカの他、エル・ゴラッソ、サッカーダイジェストなどに寄稿している。▼関連リンク
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