[MOM308]流通経済大DF鈴木翔登(4年)_“上手くない男”がヒーローに

ゲキサカ / 2014年8月18日 5時23分

[MOM308]流通経済大DF鈴木翔登(4年)_“上手くない男”がヒーローに

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.17 総理大臣杯全日本大学トーナメント決勝 法政大 1-2 流通経済大 キンチョウ]

「僕、マジでサッカー上手くないんですよ。なんでサッカーやってるの?って自分で思う位」。そう笑うのは流通経済大を主将として支え続けたDF鈴木翔登。決して謙遜な訳ではなく、中野雄二監督も「正直な事を言うと、鈴木のポジションは違う人間を起用しようと思っていた。コーチ陣も僕が鈴木を使う事を反対していた」と大会後の会見で打ち明ける。だが、「彼をピッチに出して、最後まで出し続けた事が決勝まで繋がった要因だと思う」と指揮官が続けたように連覇に彼の存在は欠かせなかった。

 上記のように決して、上手い選手ではない。だが、「気持ちのこもったプレーや声を切らさない事だったり、僕にしか出来ないプレーがあると思っている。精神的な思いでチームの役に立てればと思っている」との言葉通り、激しい守備と常に絶えない声は高校時代から評価され、流通経済大柏高に所属していた11年には選手権ベスト4を経験。大学入学後も2年時からAチーム入りした。だが、最終学年を迎えた今年 4月に足首を捻挫し、チームを離脱。6月に復帰したものの、今季の出場機会はわずかだった。

 だが、今大会前に再び浮上し、スタメン候補に名乗り上げると、チャンスを得た初戦の福岡大戦では気迫溢れる守備とチームを鼓舞する声で無失点勝利に貢献。彼の勇敢な姿を目にした中野監督は「フィールドの中にリーダーが必要だなと思った。彼のダメな部分に目を瞑って、使い続けよう」と起用に腹をくくった。今大会が初めてという4バックのメンバー構成ながらも、決勝までの3試合を1失点で切り抜ける事が出来たのも彼がいたからだ。「周りには上手い選手がいっぱいいるので、ボールを奪えばすぐに味方に預けて、僕は守備の整備を心掛けている」という言葉通り、奪ってからの素早い繋ぎもアクセントとなっていた。

 迎えた決勝戦でも序盤から熱い守りとコーチングでチームを支えただけでなく、後半34分には「相手が喰い付いてくれたので、背後に投げたら上手く転がってくれた」と左スローインで上手くFW渡辺直輝の飛び出しを引き出し、決勝ゴールを演出。終了真際の法政大のロングスローとCKによるパワープレーも「何か僕の強い思いかなと思った」と口にしたように、吸い込まれるかのように彼の元にボールが入り、全てをきっちりと跳ね返した。“上手くない男”がヒーローとなった試合だった。

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