[全日本ユースフットサル大会]『ジンガ』で掴んだ大会MIP 聖和FC 相原「次は選手権が目標」
ゲキサカ / 2014年9月5日 18時27分
[8.31 全日本ユースフットサル大会決勝 名古屋オーシャンズU-18 2-3 聖和学園FC 大田区総合]
圧巻のテクニックで、流れを引き寄せた。聖和学園FCの6番を背負うFP相原圭吾は、ボールを持つたびにドリブルで相手に仕掛けて行き、チャンスをつくり出した。その華麗なボールさばきに、スタンドの観衆も敏感に反応。会場を味方に付けた。名古屋U-18に2度リードを許した聖和FCだったが、そのたびに追い付き、最後にはPKから勝ち越し点を挙げて3-2で逆転勝利。相原は大会MIPに輝いた。
「大会の最初に2連敗して、気分が落ちていたんですよ。それで聖和がサッカーでやっていることをやって、楽しもうと気持ちを切り替えました。その結果がここまで来て、MIPにつながって…本当にビックリしています」と、振り返る。
上体を揺らしながら、いつでも仕掛けられる姿勢を保ち、相手に飛び込ませない独特のドリブル。それは、幼少の頃に教わっていた『ジンガ』から来ているという。格闘技から発生したブラジルのダンスであるカポエイラの特長的なステップで、相手を幻惑した。「ジンガをやり続けて、足元の技術が特徴の聖和学園に入って、技術を磨き続けた結果できるようになりました。サッカーでも、ほとんどプレーは変わりません」。
幅20m、長さ40mのフットサルに最初は戸惑い、大会は名古屋U-18戦の1-7での敗戦を含めて2連敗でスタート。それでも、監督から「いつものミニサッカーの感覚でやろう」と声を掛けられ、自分たちのプレーを取り戻した。
「会場が沸いてくれると、フィールド内でも乗りますよね。声援は聞こえていました。もうプレーしている最中から嬉しくなっちゃって。会場との一体感もあって、本当に楽しかったです」
決勝前は、グループリーグでの名古屋U-18戦のことは、「思い出さないようにしていた」という。「あのときは、ピッチを広く使ってしまっていたので。ただ、その試合の最後に監督から『近づいてやろう』と言われてやったら、ちょっと良くなったので。距離を近くに保ってやったらうまくいくんじゃないかなと思ってやったら、うまい具合にいきました」。試合終盤に名古屋U-18は、パワープレーを仕掛けた。しかし、聖和FCは動じなかった。
「いつもやっていることをやり続けたら、大丈夫でしたね。守備に関してはキャプテンの石原がフットサルの経験者なので。彼が指示を出してくれて、それに合わせて動いていました。全国大会の前は、出発の前日の2時間しかフットサルの練習ができなかったのですが、試合を重ねながら成長していけたのが、良かったです」
チームが2点目を挙げた場面では、味方の折り返しをシュート。惜しくもポストに嫌われたが、FP土屋拓磨が好フォローを見せて、同点ゴールを決めた。「あれを外したときは、『ああっ!』と思いましたが、詰めてくれたのでうれしかったですね。ゴールをあまり挙げられませんでしたが、テクニックを認めてもらえたので、やっていて良かったなと思いました」と、笑顔を見せる。
フットサルでは大会MIPに輝いた相原だが、部員170名でポジションを争っているサッカーでは「今、レギュラーになれるかどうか、際どい所」と話す。「フィジカルを鍛えているところです。次は選手権が目標なので、そっちに向けて頑張ります。この経験は自信になりました。全国で優勝するという経験もできたので、プレッシャーにも打ち勝てると思います」と、この経験をサッカーにつなげることを誓った。
(取材・文 河合拓)
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