[アジア大会]前日に顔面強打もフル出場のDF岩波「今までで一番充実した90分だった」
ゲキサカ / 2014年9月29日 0時5分
[9.28 アジア大会準々決勝 日本0-1韓国 文鶴]
韓国のロングボールを最終ラインでことごとく跳ね返した。身長186センチのDF岩波拓也(神戸)は、同じく身長186センチのDF植田直通(鹿島)とゴール前で壁を作って韓国の攻撃を懸命に封じた。
「ロングボールを跳ね返せば、あまりピンチはないと思っていた。何度かクロスで危険な場面はあったが、チーム皆で助け合えた。個人的にも、イラク戦(●1-3)は軽いプレーが多かったので、今日は何とかつぶしたいと思っていた。そういうプレーを前半から見せることができた」。結果は黒星だが、個の局面では負けなかったことに胸を張る。
前半28分には自陣PA内で植田がクリアミス。さらにGK牲川歩見(磐田)もかわされて絶体絶命の大ピンチとなったが、ゴールライン上で待ち構えた岩波がクリアして失点を免れた。後半38分の波状攻撃も体を張って防いだ。
韓国戦を翌日に控えた27日の練習中、チームメイトと空中で激突して顔面を強打し、練習を早めに切り上げた。右頬を腫らした状態で宿舎に引き揚げる様子からは、韓国戦出場は微妙かと思われたが、蓋を開けてみればしっかりとフル出場。試合後の頬からは腫れは引き、手応えをつかんだという表情を浮かべていた。
「相手が韓国ということで、個人的にそこを強く意識して試合に入った。良さを出せたところは多かったと思う。けれどもこれは続けないといけないし、中東相手にもそういうプレーをできないといけない。今回イラクと韓国に負けたことで、自分にとって課題を出されたと思っている」
そう言いながらも、A代表経験者を多く含む韓国を相手に流れからの失点をゼロに抑えたことは今後につながっていきそうだ。
「今までで一番充実した90分だった。この大会に来て一番いいチームとやれたと思う。もちろん負けたのは悔しいけど、あの韓国を相手にああいう戦いをできて、一つ成長できたと思う。この悔しさを次の五輪予選やその次のA代表につなげていきたい」と力強かった。
(取材・文 矢内由美子)
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