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[選手権予選]終了間際の劇的同点弾、蘇った夏の王者・麻布大附が延長戦制す:神奈川

ゲキサカ / 2014年10月15日 15時29分

 麻布大附は29分に左サイドから切れ込んだ竿下が右足シュートを放ったがGK正面。それでも終盤はCB藤田和樹(3年)を前線へ上げ、トップ下の中山を左サイドに出して川和の守りを壊しにかかる。すると、39分に劇的な同点ゴールが生まれた。右FKのクリアボールをファーサイドで拾った中山が左足シュート。密集にできたわずかな隙間を抜けたボールは、ゴール左隅へ吸い込まれて同点ゴールとなった。安彦監督は「綺麗なゴールじゃないですけど、こういう粘りもできるというのがひとつ大きなことかなと。か弱かった感じを見せていた彼らがちょっと逞しくなれた」。華麗なサッカーをする一方で初戦で幾度も見せていた勝負弱さ。その印象を拭い去った瞬間だった。

 こうなると流れは麻布大附だ。延長前半開始直後には左サイドから中山、阿部とつないで交代出場のFW中尾亮介(3年)が右足シュート。そして6分、中尾が「(チームがピンチの時に)そういう時に自分が入るのは分かっていた。流れを変えてやろうと思っていた。思い切ってやろうと思って、縦行くのが武器なので、縦ボール蹴って、DFを振り切れたので中に強引に出した」と単独で右サイドを打開してからラストパスを入れる。これをDFを背負いながら受けた竿下が「最初、中尾からボール来て自分が要求したんですけど、一度ボール見えなくなったんですよ。それで一応相手抑えていたんですけど、(阿部)速秀がスルーして、これ無理かなと思って足出したらトラップできて。あとはそのままいつも通り、ゴール感覚っていうか。GKは受ける前に見ていたんで左に、腰捻って打ちました」と決勝点となる右足シュートをゴール左隅へ決めた。

 夏の王者は苦杯を糧に成長した実感がある。全国総体敗戦直後、落ち込む選手たちに安彦考真コーチや安彦監督は「オマエら、負けを認めろ。これは自分たちの負けだ。一からやりなおそう」と声をかけ、思いを立ち切らせるためにすぐに会場から撤収した。安彦監督が「何もできなかった。通用しないし、神奈川を代表して恥ずべきことだった」と振り返る敗戦から立て直し、神奈川のライバルたちを圧倒してきたポゼッションにサイド攻撃を加えた攻撃強化。そして「尚志の方が一歩目が全然早かった」(中山)ことから長距離のランメニューから、アジリティ強化へテーマを変えてトレーニングをしてきた。そして藤田、岸星斗(3年)のCBコンビ中心により強固になった守備陣。もう一度「日本一」という目標に挑戦するためのチームをつくってきた。

 チームの柱である塚越の負傷の状態が気がかりだが、夏場に長期離脱していた塚越の不在の間に取り組んできた自信と下級生たちの底上げもある。そして「間違いなく乗れました」(安彦監督)という初戦での劇的な勝利。勢いに乗った麻布大附が神奈川を突破し、現日本代表のDF太田宏介、FW小林悠を擁した05年度以来(当時は麻布大淵野辺高)となる全国切符を掴み取る。

[写真]延長前半6分、決勝ゴールを決めた麻布大附・竿下がチームメートたちと喜ぶ

(取材・文 吉田太郎)

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