[選手権予選]「全国9地域の注目校・選手vol.3」_履正社高(大阪)

ゲキサカ / 2014年10月25日 2時20分

[選手権予選]「全国9地域の注目校・選手vol.3」_履正社高(大阪)

特集企画[選手権予選]「全国9地域の注目校・選手」

 ゲキサカでは「選手権予選 全国9地域の注目校・選手」と題し、佳境に突入している全国高校選手権予選から各地域の注目校や注目選手を紹介。ユース年代を主に取材するライター陣に北海道、東北、関東など各地域から、選手権予選へ臨む注目校や注目選手を紹介してもらいます。第3回は昨年度の全国高校選手権で初出場ながらベスト8へ進出した履正社高(大阪)です。

 試合時間は残りわずか。1-0でリードしていた履正社にとって国立の舞台は目の前まで来ていた。しかし、悲劇はアディショナルタイムに訪れた。四日市中央工にFKのこぼれ球を押し込まれて延長戦に突入。迎えたPK戦では6番手のキックがGKに阻まれ、初出場で躍進を遂げた選手権は準々決勝で幕を閉じた。

 この時のスタメンが9人も残る履正社は今年の関西をリードするはずだった。事実、新チーム結成直後の練習試合ではJFAアカデミー福島U18や広島ユースといったプレミアリーグ勢に勝利。2年連続での飛躍を期待されたが、春の訪れと共に待っていたのは過酷な現実だった。プリンスリーグ関西では開幕から4試合勝ち星が奪えず下位に沈むと、悪い流れを断ち切れないまま挑んだ全国高校総体予選でもまさかの初戦敗退に終わった。

「若いから、『俺らは昨年、あれだけ上まで行けたんだから、今年も行けるんじゃない?』という奢りもあったと思う」。平野直樹監督はそう当時を振り返る。総体以降はこれまで以上に対話を繰り返しながら、謙虚な気持ちを引き出すと共に修正を施したのが守備面。「本来、守備ってシンプルなモノなのに、難しく考えてしまう。日本人はマークを指示すると便所までついて行ってしまい、スペースを空けてしまう。それではダメなので、守備の基本原則を再確認すると、良くなった。”ゴールを隠す”ことが一番、大事」(平野監督)。

 ボールを持った相手に対して、喰い付いて奪いに行くのではなく、チームが連動してゴールまでのコースを遮り、ここぞという場面でインターセプトを狙う守備の基本を再徹底。チームのモットーである”ボール大事にする”ことを意識するばかりに、足下へのパスばかりという単調を繰り返した攻撃も、ボール回しで主導権を握りながら機を見ては相手DFの背後に長いボールを通すなど臨機応変な崩しを見直した。

 総体以降は苦しい結果を受け止め、1年生だった昨年から主力を張ったDF安田拡斗、MF牧野寛太、林大地、川畑隼人のG大阪ジュニアユースカルテットもチームに欠かせない存在へと成長。彼らに負けじと意地を見せた2年生MF小川達也らも台頭した。エースのFW瀧本高志を怪我で欠くアクシデントもあったが、5節以降は12連勝と破竹の勢いで勝ち点を積み上げ、残り2節の時点で首位に立つ。

 来期からのプレミアリーグも見えてきたが、チームの第一目標は選手権。主将のDF小川明は「昨年の選手権はあと一歩のところで失点してしまい、僕らの甘さが出てしまった。残り1分というのはあの時以来、常に意識している。今年こそはその先に立ちたい」と意気込む。明暗はアディショナルタイムで分かれた。同じ後悔を再びしないため、今度は歓喜を分かち合うための戦いが今、幕を開ける。

(取材・文 森田将義)▼関連リンク
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