[選手権予選]全国で勝つための攻撃スタイル、香芝が22ゴールで圧勝:奈良
ゲキサカ / 2014年10月27日 16時25分
[10.26 全国高校選手権奈良県予選2回戦 青翔高 0-22 香芝高 奈良学園高グラウンド]
第93回全国高校サッカー選手権奈良県予選の2回戦が26日、奈良学園高グラウンドで行われ、2年ぶりの全国大会出場を目指す香芝高が青翔高に22-0で圧勝。全国に向け、弾みのつくスコアで初戦を飾った。
「これまでのチームと違って攻撃が出来るのが今年の売り」と米原勝監督が自信を見せる攻撃スタイルが存分に発揮された一戦だった。試合が動いたのは試合開始からわずか15秒の事。キックオフのボールを左前方に素早く展開。フリーで抜け出したFW山田大雅が角度のない位置から狙ったシュートがネットを揺らした。「自分でもあんなに綺麗に入るとは思っていなかった」(山田)というゴールで順調なスタートを切ると、FW田中秀行が「立ち上がりから、前から仕掛けて、相手が戦意喪失するまで叩き込もうと話していた」と説明した通り、開始からわずか10分で5得点を獲得。以降も個での打開力に長けた山田、竹末蒼大の両ウイングによる飛び出しや、中央のMF玉木仁、村田蓮太朗、田中らを交えた連係による崩しで前半だけで11得点を奪った。
後半に入ってからも勢いは衰える事無く、部員は11人のみで控えはなしという青翔の運動量が落ちた事も相まって、前半同様のゴールラッシュを披露。後半5分に奪った山田の得点を皮切りにゴールの山を築き上げ、アディショナルタイムに決めたCB浦野凌也のPKゴールまでに奪った得点数は11。前後半合わせて22得点を奪う圧倒的な攻撃力を見せつけ、試合を終えた。
今年の香芝が攻撃を売りにするのには理由がある。「これまでは守って県を勝ち抜ければOKだった」と振り返ったように、2強状態だった奈良育英高と一条高の牙城を崩した10年、12年大会は守備力をベースとしたチームだったが全国では思ったように得点が奪えず、共に初戦で涙を飲んだ。全国で経験出来なかった一勝を奪うために、攻撃のアップに昨年から取り組み始めたという。
狙う攻撃サッカーを絵に描いた餅に終わらせないタレントが揃うのも今年の強み。現在の2年生は昨年、奈良県の1年生大会を制した期待の世代。彼らに加え、この日存在感を見せた玉木、竹末など楽しみな選手は1年生にもおり、質の高さは米原監督が「来年、再来年は結果を残さないといけない」と意気込む程だ。そして、期待の下級生が活躍出来るのもCB浦野凌也、田中といった3年生がいるからでもある。下級生の台頭により、昨年はボランチだった田中がセンターフォワードに、左SBだった山田が左ウイングにコンバートされ、正確なキックがシュート精度の高さに活かされるなど、上級生と下級生が上手く噛み合っている。
上出来の白星発進にも米原監督が「次が初戦やと思って挑まないといけない。この結果が後の良い結果にならない可能性もあるので、1週間で忘れなくてはいけない。加えて、今日は課題である守備に回る場面がほとんど無かった。次からは守備をする時間が増えるし、点を獲ったイメージだけで次に挑むのはまずい」と話すように気の緩みはなし。これまでとは違った香芝の新たなスタイルを全国でお披露目するためには、県内で負けるわけにはいかない。
[写真]香芝は前線の要を担う田中の5ゴールなど22発の圧勝
(取材・文 森田将義)▼関連リンク
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