[選手権予選]京都準々決勝で実現したプレミアリーグ勢対決!京都橘が雨中の熱戦制す!!
ゲキサカ / 2014年11月6日 19時3分
試合後、東山・福重監督はセットプレーからの2失点を悔やむと同時に「攻撃の形が作れない時間が長かった。鎌田にボールが入ってからの(周囲との)関わりも少なかった」と攻撃について振り返っている。前線にスピードのある選手が揃う京都橘のカウンターの鋭さはこれまでの対戦で嫌というほど経験しており、両SBは自陣のスペースが気になったのか、攻撃参加の回数は多くなかった。それでも鎌田が起点となって局面を打開できれば良かったが、相手の堅固な守備を前になかなかチャンスを作り出せず、数的優位となった試合終盤も思うような崩し方ができたのは僅かだった。
一方、京都橘にとっては会心の勝利だ。試合の入り方が良く、先制点こそ奪われたが、すぐに同点に追い付くことに成功。コンパクトな陣形を保って、攻守両面で持ち味を発揮している。印象的だったのは後半18分のシーンだ。スコアは2-1、東山が攻勢に出ようとした状況で自陣に押し込まれたが、ボールを拾うと高速カウンターが発動。少ないタッチ数でハーフラインを超えて一気に敵陣へ入ると、前線の中野の動き出しを見てサイドから鋭いアーリークロスを送り込む。これはボールが早すぎて直接は合わなかったが、逆サイドに流れてボールに追いついた中野の回りには自陣から駆け上がってきた山村龍平(3年)らがおり、最終的にシュートまで持ち込むことで相手に傾きかけた流れを引き戻した。守備で耐えつつも、勝負どころと感じれば思い切って前に出て行く判断と活動量。米澤一成監督は「力のないチームがどうやって試合の流れを作るのか。1年間、プレミア(リーグ)でやってきたことをピッチで出せた」と話す。プレミアリーグでは苦しい戦いが続いているが、高いレベルの中で貴重な経験値を積み上げてきた。中野も「“ここぞ!”のスピードで相手を置き去りにするのは、僕ら(3年生)が1年生の頃から磨いてきたこと。それがチームの得点パターンになってきた」と自信を持っている。
東山との大一番を制したが、京都大会はまだ終わっていない。応援席への挨拶を済ませてロッカールームに引き上げる際、喜びに沸く選手たちに向けて川上耕平コーチは「まだベスト8が終わっただけだぞ!」と声を掛けて、手綱を締めていた。ベスト4に勝ち進んだ久御山高、立命館宇治高、福知山成美高はいずれも全国大会出場の経験を持つ強敵ばかり。3年連続出場を目指して、京都橘は8日の福知山成美との準決勝に挑む。
[写真]同点弾を決めて、喜びを爆発させる京都橘MF大野
(取材・文 雨堤俊祐)▼関連リンク
【特設】高校選手権2014
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連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ2014
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