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[選手権予選]2試合連続PK戦勝利!名門・前橋商が7年ぶりの決勝進出!:群馬

ゲキサカ / 2014年11月7日 22時46分

 後半はともに思うような攻撃ができず、前橋商は品川のミドルシュートのみのシュート1本、伊勢崎商はシュートゼロという我慢比べとなった。前橋商は澤口が「つなげなくないほどの風だった」と振り返ったように、強風に頼ってロングボールを放り込むのではなく、グラウンダーのサッカーで勝負を挑む。そしてサイド攻撃を展開。11分に右SB川口大和(3年)、22分には山崎が右サイドからクロスを放り込んだが、伊勢崎商はCB金子涼介主将(3年)らが最後まで相手アタッカーから身体を離さず、クロスに触らせない。ロングボールも星野がPA外まで飛び出して対応する。一方の前橋商もCB豊川柊弥(2年)がロングボールを弾き、闘争心溢れる守りを見せた額田がこぼれ球を確実にクリアしてしまう。伊勢崎商は40分、鈴木のスルーパスでFW小久保翔斗(3年)が抜け出しかけたが、オフサイドの判定。互いに守備意識の高かった両チームの戦いは1-1のまま延長戦に突入した。

 延長前半6分、伊勢崎商は延長戦開始から投入されたFW石川敬汰(3年)の強烈な右足ミドルがゴールを捉えるが、これは前橋商GK青木一真(3年)がセーブ。前橋商も9分に山崎が決定的なダイビングヘッドを放ったが、これは伊勢崎商GK星野のビッグセーブに阻まれてしまう。延長戦に入り、右SB中澤洸喜(3年)の攻撃参加や石川の飛び出しでサイドを深く突くシーンが増えた伊勢崎商は延長後半4分、石川のクロスに中村が飛び込むが、わずかに触ることができない。対する前橋商も左サイドを起点に攻めて延長戦だけでシュート4本を放ったがゴールは奪えず。決着はPK戦に委ねられた。両チーム5選手ずつが成功して迎えた6人目、先攻・伊勢崎商は延長戦での攻撃参加が印象的だった中澤のシュートがゴール左へ外れてしまう。対して、総体予選準優勝校の常磐高との準々決勝をPK戦の末に勝ち上がって来ていた前橋商は、川口が右足で決めて熱戦に決着をつけた。

 前橋商は笠原監督就任後、ボールを大事にするスタイルを打ち出し、あえてバランスを崩して打ち合うような試合もさせていたという。この日は先制されたが、選手たちは慌てることなく攻め続けて前半のうちに同点。そしてPK戦で勝利した。指揮官は「トーナメントは失点しちゃうとダメなんでしっかり守って、最後のところはゼロで抑えて。でも『オレたち獲る気になれば獲れるよ』という自信をつけさせた」と振り返ったが、先制されたこの日はその取り組み、自信が奏功した。

 決勝の対戦相手はライバル・前橋育英。戦力、経験面でも劣勢となることが予想されるが、総体予選の対戦では敗れたものの、後半30分頃まで相手を無得点に抑えて苦しめている。澤口は「(決勝進出は)みんな正直にうれしいですし、このまま謙虚でみんな一丸となって戦いたいと思います。決勝でも謙虚に感謝の気持ちを持って優勝を狙いたいと思います」とライバル対決を制して優勝を勝ち取ることを宣言した。

(取材・文 吉田太郎)▼関連リンク
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