[選手権予選]身に着いてきた“らしさ”、香川西が1-0勝利で9連覇達成:香川
ゲキサカ / 2014年11月9日 7時17分
1983年に監督就任し、自ら創部したチームを育てて掴んだ10回目の選手権。「指導者の間では10回、選手権に出場して本当の強豪校という話をしている。今回でやっと仲間入りできたかなと思う」と喜びを表したが、栄冠までの道のりは険しかった。今年のチームは「昨年は制球難だけど160km投げられるピッチャーのようなFW阪本翔一朗(現金沢)や、50mを走るだけならプロレベルのDF藤谷匠(現神戸学院大)など荒削りだけど個の力のある選手がいたけど、今年はいない」と、この9年の中でも“もっとも力のない世代”と評される。言葉通り、夏の総体予選では坂出商高に県代表の座を譲り、プリンスリーグ四国でも勝ち星が伸び悩んだ。
転機となったのは夏休みの遠征。これまで選手たちはポゼッションサッカーを志向していたが、県外の強豪との練習試合で敗戦を続け、「僕たちには繋ぐサッカーは無理だと分かり、縦に速いサッカーをしようと選手同士で話し合った」(藤岡)。加えて、選手権を見据え「走り勝つ、競り勝つ、セカンドボールを拾い勝つ、攻守の切り替え」というチームが目指す四原則を作成し、伝統である“堅守速攻”の下地が整った。
この日は決して満足の行く内容でなかったが、指揮官が「堅守速攻を目指しているので、1-0は僕からすれば最高のスコア」と話したように紆余曲折を経て、香川西らしい逞しさを身につけつつある。全国での目標はこれまで進むことができなかったベスト8進出。「一度、チームを壊す。メンバーも3人くらい替えると思う」と大浦監督が口にするように再び試行錯誤しながら、より香川西らしさを伸ばし、壁を打ち破るつもりだ。
[写真]得点した秋山(左)を祝福する藤岡
(取材・文 森田将義)▼関連リンク
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