[MOM1223]佐賀東MF井上達貴(2年)_主将も認める佐賀東の心臓
ゲキサカ / 2014年11月20日 0時44分
[11.15 全国高校選手権佐賀県予選決勝 佐賀東高 2-0 佐賀学園高 BAスタ]
ポゼッションスタイルを志向する今年の佐賀東高に於いて、欠かせない存在になりつつあるのが、MF井上達貴(2年)だ。蒲原晶昭監督も「井上達貴の成長は大きい」と、その成長に目を細める。
ボランチの位置で冷静な状況判断を下す戦術眼。彼は、この試合でも佐賀学園高相手に抜群の存在感を見せる。コンビを組むMF野口雄平(3年)が最終ラインでのボール回しに加わる中で、アンカー気味にポジションを取りながらも、積極的に前線へと顔を出して攻撃をサポート。前半17分には中盤から前線に駆け上がると、GKがこぼしたところを拾い、チームを勝利に導く先制点を奪ってみせた。今でこそチームを支えるキーマンになった井上だが、「初めて高校に入って全国大会に出場したのですが、自分のプレーができなかった。特に判断が遅いのと、相手のプレスが速かった部分で、前の人を捕まえる事ができませんでした」と語るように、中学で全国大会を経験していたとはいえ、全国総体では自分のプレーが通用しなかった。
しかし、その悔しさを持ったまま8月に行われたプーマ杯に転機が訪れる。特に、その大会で対戦をした大津高10番MF葛谷将平(3年)のポジショニングから学ぶことは多く、「SBとかにボールが入った時に、なるべく止まらずちょっと下がってもらうことや、(前線の)川内さんにボール当てることを意識するようになりました」と井上が言うように、プレーが変わるきっかけの1つとなった。
そして、精神的な部分でも夏に大きな変化が起こる。今までも、レギュラーの一人としてプレーしていたが、8月中旬のある試合後に蒲原監督から直々に「攻撃の軸としてオマエがやるんだぞ」という言葉を掛けられると、「練習の意識から変わったし、試合でも自分が試合を動かすというくらいの落ち着きが出てくるようになった」とCB峰泰斗主将(3年)も認めるほど、プレーに責任感が伴うようになってきた。「(今日の試合)でもパスミスとかが多くて、試合が終わっても満足できない。全国までにパスミスを減らして、ゴールに繋がるパスや自分がゴールを奪うことをもっと意識しないといけない」と井上が言うように、現状に満足をしていないことからも責任感が芽生えたところを伺わせている。
井上にとって、全国の舞台は忘れられない場所でもある。昨年も登録メンバーに入ってはいたが、ベンチに入ることができず、ビデオ撮影班の役回り。特に勝った1回戦はスタンドにいたため、「みんな喜んでいるのに、自分は悔しさだけがこみ上げて、泣きそうになっていた」(井上)と心から喜ぶことができなかった。今年は「チームの心臓」と峰が語るように、主軸として今回は選手権へと挑む。昨年、味わえなかった本当の意味での喜びを味わうためにも、チームを勝利へと導いてみせる。
(取材・文 松尾祐希)組み合わせ抽選会は11月17日!!
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