[選手権]昨年学んだ「あと1分」糧に、プリンスリーグ関西12連勝の履正社が日本一に挑戦
ゲキサカ / 2014年11月18日 8時28分
東福岡高(福岡)や流通経済大柏高(千葉)など全国高校総体上位やプレミアリーグ勢が優勝候補に挙げられるが、立正大淞南高(島根)や広島皆実高(広島)、尚志高(福島)など大会の主役に躍り出る可能性のある高校は多数。中でも大会のダークホースとして注目の存在が昨年度全国8強の履正社高(大阪)だ。今年は総体予選が初戦敗退でプリンスリーグ関西の開幕4試合を1分3敗。得点2、失点13と守備が崩壊していた。だが左SB小川明主将(3年)が「負け続けている時に守備をもう1回ちゃんとしようということで、守備の仕方を統一したら失点が少なくなって、攻撃も自信もってできるようになった。それが今につながっていると思います」というチームはそこから強豪集うプリンスリーグ関西で破竹の12連勝を記録。残り2試合で2位と勝ち点5差で優勝に王手を懸けている状況だ。
その好成績はチームの自信となっている。小川は「大阪大会で後半に追いつかれても、とにかく『オレたちはできるから』とみんなに言い聞かせて自信もってやっていました。(全国制覇も)今のチームならばボクはできると思っています」と手ごたえを口にした。履正社は「精神面でチームを支えないといけないと思います」という小川をはじめ、昨年度大会優秀選手のMF多田将希(3年)、2年生エースとして成長を遂げたMF牧野寛太ら昨年からのレギュラー9人を残す陣容。初出場した昨年度大会で悔しい思いとともに学んだ「あと1分」の怖さ、厳しさも彼らを成長させた。
履正社は初出場だった昨年度大会、優勝候補の青森山田高(青森)などを破ってベスト8進出の快進撃。平野直樹監督の母校でもある四日市中央工高(三重)との準々決勝も1点をリードしたまま後半アディショナルタイムを迎える。だが残り1分、ここで守備の乱れが出て痛恨の失点。追いつかれた履正社はPK戦の末に敗退した。「鮮明に覚えています。GKがこぼしたのもボクの前だったので。苦い思い出です」と振り返る小川は「常に練習でも、試合でも、去年あと1分のところで負けているので、『あと1分』というワードをどんどん口に出して、みんなで意識高くやってきました」と説明する。12連勝を飾っているプリンスリーグ関西の後半戦は、後半45分にFW瀧本高志(3年)が決勝ゴールを決めた洛北戦など6試合中4試合が1点差勝利。“最後の国立”に立つ夢を「あと1分」で断たれたチームは「あと1分」を自分たちの強さに変えてきた。
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