[選手権予選]7月の1次予選から決勝進出した九州国際大付、夏の全国王者に0-1で涙:福岡
ゲキサカ / 2014年11月19日 19時3分
[11.16 全国高校選手権福岡県予選決勝 東福岡高 1-0 九州国際大付高 レベスタ]
夏の全国王者・東福岡高は九州国際大付高の堅守に苦しんだ。九国大付はCB宮本凌輔(3年)が全国高校総体得点王のFW木藤舜介(3年)をマンマーク。また相手の強力な両翼、“ヒガシのクリロナ”こと右MF増山朝陽(3年)と左MF赤木翼(3年)にボールが入れば、すかさず2人がかりで潰しにいった。時にこじ開けられるシーンもあったが、それでも彼らに決定的な仕事をさせず、東福岡が前半に放ったシュートはわずか3本。全国総体では鹿児島実高(鹿児島)との準々決勝、青森山田高(青森)との準決勝でいずれも前半に3ゴールを奪って試合の大勢を決していた東福岡に食い下がった。
東福岡の志波芳則総監督が「いいチームをつくったな杉山監督は。いい守りだった」と評した40分間。そして九国大付は後半開始からキャプテンマークを巻いた背番号6、DF田村勇斗(3年)がピッチに現れた。田村はこの日午前に関東で行われた大学受験終了直後にタクシーと航空機を乗り継いで900㎞以上の距離を大移動。福岡空港到着から30分も経過していない後半開始から登場した。盛り上がるチームとスタンド。昨年、主力のひとりとして全国総体16強を経験している田村は球際、対人の強さを発揮してチームの守りをより強固なものとした。だが9分、杉山公一監督が「ズルズルと下がったらやられてしまう」と振り返ったように、高く設定していたディフェンスラインがPAまで押し込まれると、クリアボールのこぼれ球を立て続けにシュートされて先制点を奪われてしまった。
九国大付は後半途中から投入されたエースFW庄野海(3年)とFW田中裕康(2年)を中心に反撃。彼らのドリブルで思惑通りにFKを獲得することまではできた。GK登録の189cm、星加浩弥(2年)をフィールドプレーヤーとして投入する“奇策”も星加の予想以上の奮闘によって効果を発揮したが、33分に庄野が放ったバイシクルショットはゴール左へ外れ、後半アディショナルタイムにFW富永京太(3年)の放った右足FKは相手GK脇野敦至(2年)の好守によって阻まれた。杉山監督は「バタつかせて、ファウル誘うことまではできたけれど、そこから行けなかったですね」。高かった全国王者の壁。7月末の1次予選から6試合、3か月半に渡る戦いを勝ち抜いてきた九国大付だったが、3-4で東福岡に屈した昨年に続いて決勝で涙を飲んだ。
(取材・文 吉田太郎)
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