最後の日立台で有終の美、ネルシーニョ監督「感謝の言葉しかありません」

ゲキサカ / 2014年11月30日 3時16分

最後の日立台で有終の美、ネルシーニョ監督「感謝の言葉しかありません」

[11.29 J1第33節 柏3-1清水 柏]

 柏レイソル史上最長となる、6シーズンにわたって指揮をとったネルシーニョ監督も今季限りで勇退となる。その間、柏にもたらした功績は計り知れない。

 09年、チームが低迷する中で立て直しの切り札として柏の監督に就任するも、低迷していたチームは軌道修正することなく、2度目のJ2降格という憂き目にあう。しかし、ここから“ネルシーニョ神話”が始まる。10年にJ2を圧倒的強さで制すると、その勢いのまま翌年にJ1を制覇。12年に天皇杯、13年にナビスコ杯と3年連続で3大タイトルを獲得、柏を常勝軍団へと育て上げた。

 そして、Jリーグ史に残る名将が迎えたホームラストゲームには、神懸かり的な演出が待っていた。試合の数時間前から降り始めた雨で、ピッチには霧が漂い幻想的な雰囲気の中でキックオフを迎える。いざ試合が始まると柏がファーストシュートで先制。すると、直後には曇り空の合間から、柏の象徴である太陽が射してピッチを照らし出した。5年半の軌跡を追ったムービーで幕を開けた試合後のセレモニーでは、選手全員で監督がプリントされたTシャツを纏って登場。サポーターはマスゲームで「のし袋」をつくり、感謝の意を表現した。ほとんどの柏サポーターが残って見守る中、選手たちによって胴上げをされた。すべてがネルシーニョ監督のために用意された舞台だった。

 試合後、ネルシーニョ監督は日立柏サッカー場での最後の会見に臨んだ。「今年タイトルという形は残せなかったですが、リーグでは11年以降で一番いい成績を残せています。ACLという目標を持ちながら戦えるのは、就任してから選手に伝え続けてきている“勝つ準備”を常に怠らないことです。自由もありますし、チームのディシプリンもあります。仲間をリスペクトすること、スタッフをリスペクトすること、クラブをリスペクトすること。あとは常に真剣に取り組む姿勢。精神面では勝つために起こりうることをすべて乗り越える覚悟。それが必要だと彼らに伝えてきて、それが自然と身についていて、勝つために必要なことも自然と判断してできたからだと思います」。タイトルという結果だけでなく、チームに勝ち方を植えつけた。

「いままでプロの世界で何度も素晴らしい瞬間を味わってきましたが、今日はその中でも特別でした」と最後の日立台への想いを振り返ると、サポーターへの感謝を続けた。「レイソルにとって大事な5年半だったと思います。そこでみなさんとともに戦いながら、認められながら、勝ち進んできた。それができたからこそ、いまのレイソル、柏の街、レイソルのサポーター、そのすべてが日本の中で、アジアの中で大きくなったのだと思います。本当に感謝の言葉しかありません」。

 最終節、勝ち点57の5位柏は、同57点の4位鳥栖を得失点1差で追いかける。柏は12位の新潟との対戦となるが、鳥栖は優勝の可能性を残す3位鹿島との一戦となり、逆転での4位も現実味を帯びてきた。仮にG大阪が天皇杯で優勝すれば、J1で4位のチームがACLのプレーオフへとまわることができる。「柏から世界へ」を体現してきた指揮官の、最後の大一番は12月6日、新潟を舞台に行われる。

(取材・文 奥山典幸)
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