[MOM1248]G大阪ユースFW妹尾直哉(3年)_1G1Aで逆転勝利を演出
ゲキサカ / 2014年12月21日 10時55分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.20 Jユースカップ準決勝 G大阪ユース 2-1 F東京U-18 ヤンマー]
実に鋭利だった。前半から棘のある攻撃を繰り返していたアタッカーが、チームに逆転勝利をもたらせた。ガンバ大阪ユースのFW妹尾直哉は、Jユースカップ準決勝のFC東京U-18戦の前半を「ボールを回せていて、シュートチャンスもあったので決めきれば自分たちのペースになると思っていた」と振り返った。前線でパスを受ければ、積極果敢にシュート。どん欲にゴールを狙い続けた。相手にブロックされる場面が多かったのは反省だが、自らコースを作って打ち込んでいたのは明らかで、相手にとっては脅威だった。
輝きを放ったのは、後半に先制された後だった。後半31分、パスワークで敵陣に押し込むと、ボランチの市丸瑞希が中央から右にスルーパス。スペースへ走り込んだ右DF吉村弦のクロスを妹尾がボレーで合わせた。前半に見せた積極的なプレーの裏側で、妹尾は駆け引きをしていた。「右サイドのクロスを合わせるのは、練習でもよくやっている。(クロスに対しては)ニアに相手が閉じて来ていると前半から思ったので、少し引いたら来るかなと思った」とマークを外してフリーで放ったシュートは、チームに勢いを与える同点弾となった。
この少し前の後半26分にMF堂安律が交代でベンチに退いているが、実は当初の交代要員は妹尾だった。梅津博徳監督は「書き換えて良かった。交代できるタイミングになるまで時間があって、途中でひらめいた」と笑顔を見せた。そして後半も間もなく終わろうとする時間に、妹尾が再びやってのけた。市丸からのパスをバイタルエリアで受けると、左方向を向きながら縦にスルーパス。斜めに走り込んだFW高木彰人が逆転ゴールを決めた。決勝点のアシストは「遊び心」だったという。妹尾は「コーチたちからまったく遊びがないと言われていて、ようやく出せた。前の試合も全然ダメで得点も取れなかった。今日は冷静にできたと思う」と笑った。
ゴールとアシスト、両面で勝利に貢献できた背景には、ユースでの成長がある。個人技の育成に定評がある津ラピドFC出身の妹尾は、3年前を「自分よがり」と表現した。得意とするドリブルへの執着心が強く、相手を抜くことばかり考えていたからだ。しかし、ユースでは「(中学生の頃は)自分のことばかり考えていた。ユースに来てからは、周りを使って良い状況でボールをもらうことを学べた。自分一人だけでは上でやっていけないとすぐに感じた」とチームの一員として機能的な動きのできる選手へと成長してきた。個で仕掛ける姿勢を持ちながら、相手との駆け引きで優位に立つ。より脅威的な存在となった妹尾は来季、トップチームに昇格してプロ選手として活動する。Jユースカップは、ユースでの3年間の集大成となる。当然、タイトルを手土産にするイメージは、できている。
(取材・文 平野貴也)▼関連リンク
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