[選手権]ユース取材ライター陣が推薦する「選手権注目の11傑」vol.3
ゲキサカ / 2014年12月22日 7時14分
MF増山朝陽(東福岡高3年)
「言わずと知れた“ヒガシのクリロナ”。代名詞となりつつある縦への突破はもちろん、『ファーの方が触りやすいというのはあるし、ボールが流れてもすぐに追い付いてクロスという2次攻撃ができると思う』と語るファーでのヘディングによる得点感覚も相当高く、逆サイドの赤木翼が上げるクロスがCFの木藤舜介を越えても、増山が叩き込むシーンもしばしば。そういう意味でも“クリロナ”の称号にふさわしい」
MF平田健人(星稜高3年)
「昨年の選手権では準々決勝で修徳の田上真伍、準決勝で京都橘の小屋松知哉と、相手エースへの“マンマーク”を命じられ、見事に両者を完封。決勝進出に大きく貢献した。戴冠を目前にしながらも準優勝に終わった1年前のリベンジを狙う星稜の中でも、『退場したらしょうがないくらいの気持ち』で割り切って徹底できる“マンマーク”という武器を持った彼の存在は絶対に欠かせない」
MF近藤大貴(東福岡高3年)
「国内屈指の強烈なアタッカー陣を擁し、基本的に前掛かる東福岡の中で、中盤にどっしりと構えるチームの“ヘソ”。『守備はキツいですけど、サイドが強いので僕が奪ったら逆にチャンスなんです』と自身の役割を明確に捉えるバランサーは、夏冬連覇を狙う最強軍団の中で最も替えの効かないキーパーソン」
MF坂元達裕(前橋育英高3年)
「FC東京の下部組織で育ったキレキレ系ドリブラーは、身長を感じさせないヘディングの強さも併せ持つ。なかなか公式戦では得点が生まれていなかったが、選手権県予選の準決勝と決勝で連続ゴールを奪うと、プレミアリーグ参入戦でも2ゴールをマークするなど絶好調をキープ。覚醒したアタッカーが『小学校2年からサッカーをやってきた中で、この大会が一番大事な大会だと思う』と位置付ける最後の全国でも、チームを勝利へ導くゴールを狙う」
MF巽健(三鷹高3年)
「選手権予選では1回戦から準決勝まで怒涛の4試合連続ゴール。全国大会の抽選会では開幕戦を引き当てた上に、対戦相手もインターハイ王者の東福岡に決まるなど、おそらく今一番“持っている”男。1年生からレギュラーとしてプレーし続けており、縦横自在の突破力と高い決定力でチームを牽引する。『怖い部分はあるけど、どこまでできるかというのも楽しみ』と見据える開幕戦はこの男に要注目」
FW渡邊凌磨(前橋育英高3年)
「スタートはサイドハーフ、後半からフォワードという起用も多いが、託された役割はとにかく“ゴールを奪う”こと。豪快さと柔軟さを併せ持ち、得点感覚に優れた大会トップクラスのストライカー。『チーム170人の代表としてやっているので、大事な所で決めないと10番を背負っている価値がない』と自らにプレッシャーを掛け、タイガー軍団の悲願とも言うべき初戴冠を最後の冬に堂々と目指す」
FW牧野寛太(履正社高2年)
「昨年の選手権全国ベスト8に1年生ながら貢献した個性溢れるアタッカー。ガンバ大阪の下部組織出身だけあって、確かな技術に裏打ちされたドリブルやワンツーなど、シビアなゾーンに入れば入るほど、その真価は発揮される。『1年の時は大舞台に自分の中で萎縮していて結果を残せていなかったが、今年は選手権予選の準決勝、決勝で2ゴール1アシストできているので、たぶんメンタル的な部分で成長できている』と自身もメンタル面の変化に手応えを感じている」
[写真]土屋氏が「開幕戦はこの男に要注目」と語る三鷹MF巽
■執筆者紹介:
土屋雅史
(株)ジェイ・スポーツに勤務し、Jリーグ中継を担当。群馬県立高崎高3年時にはインターハイで全国ベスト8に入り、大会優秀選手に選出。著書に「メッシはマラドーナを超えられるか」(亘崇詞氏との共著・中公新書ラクレ)。
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