[DAYS×ゲキサカ連動企画vol.37]鹿島アントラーズユースFW色摩雄貴(2年)
ゲキサカ / 2014年12月22日 21時3分
DAYS×ゲキサカ連動企画「全国のつくしを探せ!」
[12.20 Jユースカップ準決勝 鹿島ユース 3-1 清水ユース ヤンマー]
ピッチに送り出されたのは、後半8分のこと。後半開始から一方的に殴られ続け、わずか2分前に同点ゴールを許したという最悪の状況下での投入だった。それは信頼の裏返しであることを、161cmの高速アタッカー・FW色摩雄貴(しかま・ゆうき、2年)はよく分かっていた。
攻撃の切り札である色摩をこの状況に送り出すことは、「守りに入る気はないぞ」という熊谷浩二監督から鹿島アントラーズユースの選手たちへの強烈なメッセージでもあった。「色摩は縦に仕掛けるだけですから」と指揮官は笑うが、まさに勝負に出た用兵だったことも確かだ。
本人が意識したのは、「みんなの気持ちを背負っている」こと。ベンチスタートだからこそ分かる試合に出ることの意味を意識して、走り回った。もともとテクニックと突破力で知られた選手であるが、ユース昇格後に磨いてきたのは「戦う」部分。「前は球際で引いていた部分があった。泥くさくゴールに入っていくとか全然できていなかった」と言うが、「引いていたら絶対に(試合へ)出してくれない」ことは、もう分かっている。出たら、引かない。戦う。そして、走る。
相手DFが色摩に引っ張られていたこともあって生まれたDF寺門宥斗の2点目は、そうした姿勢の副産物だった。そして3点目は、まさに色摩の真骨頂だった。相手GKのフィードをDFが跳ね返したボールを拾ったのはハーフウェイラインを越えたところ。MF森主麗司のチェックをいなすと、そこからドリブルで一気に前進していく。続いて対応したDF田口雄太は巧妙な対応でディレイに成功。いったん減速を余儀なくされた色摩だったが、意表を突くタイミングでそこから急加速。田口をちぎって、突破するとニアへの走り込みを確認してクロス。MF平戸太貴による勝負を決める3点目をアシストしてみせた。
“色摩らしさ”を凝縮したようなアシストだったが、本人に満足感はない。本人が望むのは90分の仕事なのだ。「コンスタントに活躍できる選手になりたい」と語る色摩は、持久力の課題を自覚し、インターバル走に取り組むなどその克服に努めていると言う。発展途上のドリブラーが見せ付けた輝きは、どうやら進化の途中に過ぎないようだ。
(取材・文 川端暁彦) 『DAYS』は、何の取り柄も特技もない少年・柄本つくしが、サッカーの名門・聖蹟高校に入部したことで始まる灼熱×感動×奇跡の高校サッカー漫画だ! 現在、週刊少年マガジンで連載中。
そして今回、柄本つくしのように、“泥臭くチームのために献身的に走る”全国のサッカープレイヤーを応援していく企画がスタート! 各地の高校世代のゲームの中から、毎週つくしに負けない“熱さ”を持った選手をピックアップしていく。全国のサッカープレイヤーは要チェックだ! 次の“つくし”はキミかもしれないぞ!!▼関連リンク
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