「NIKE MOST WANTED」特別スカウト・李忠成に認められたMF渡邊夢大「絶対に世界へ」
ゲキサカ / 2014年12月25日 8時32分
浦和レッズのFW李忠成の目に留まったのは18歳のドリブラーだった。世界規模のスカウトプロジェクト「NIKE MOST WANTED」の「ジャパンセレクション」が24日に開幕。1次選考第1回の「キックオフセレクション」で特別スカウトを務めた李から最も印象に残った選手として名を挙げられたのは、MF渡邊夢大(東海大高輪台高)だった。
ピッチサイドから11対11のメニューで各選手の動きを追っていた李はボールを蹴る、止めるの部分を特にチェック。そして技術に加えてスピード、攻守に渡る献身性を発揮していた渡邊を「特別スカウト枠」の合格者に選んだ。「攻守に渡って献身的に動いていたところ。あと躍動感、スピードがあったところです。ボールを獲るときも凄くスピードを持ってアタックしていたし、それが無駄な走りに見えるけれど、本当に誰よりも走るし、誰よりも無駄走りする。そしてボール持った時に余裕を持って自分を出すところが一番見えたからボクは選びました」。
渡邊は15年2月の「ジャパンファイナル」を突破すれば、15年4月末からイングランド代表の本拠地あるセント・ジョージズ・パークで開催されるトライアウト「NIKE MOST WANTEDグローバル ファイナル」への出場権を獲得する。李は“日本代表”として世界へ挑戦する選手へ向けて「良く日本人は外国人のことを過大評価するところがあると思うんですけど、全く対等に見て自分がその相手を『食ってやる』という気持ちで『自分のためのセレクション』というくらいの気持ちで臨めば、凄くいい結果が出るんじゃないかと思います」と期待していた。
東京の強豪、東海大高輪台のサイドアタッカーである渡邊は昨年も「NIKE MOST WANTED」(当時はNIKE CHANCE)に挑戦。高速ドリブルとアグレッシブな姿勢でアピールし、最終選考のジャッジを担当したスカウト陣も「スピードもあったし、チームにひとりは欲しいプレーヤー」と高評価するほどだったが、「グローバル ファイナル」(イングランド)への切符にはわずかな差で手が届かなかった。当時から「高校卒業後に海外へ」と明言するほど海外へ強い思いを抱く渡邊にとっては悔しい落選。この日はその思いを思い切りぶつけていた。ボールがなくても献身的にアップダウンし、ボールを持てばアグレッシブなドリブル。「世界へ」の思いを最も感じさせるようなプレーだった。「去年、世界に行けなくて凄い悔しい気持ちがあったので、今回は絶対に勝ってやろうという気持ちがあった。それが出たと思います。プロの選手にスカウトされたのは凄い誇りに思うし、嬉しい」と喜んだ。
ただ本当の勝負はこれからだ。昨年は年上の実力者たち相手にインパクトあるプレーを見せたものの、勝ち抜くことはできなかった。だからこそ、「まだまだセレクションがあるのでそこへ向けてしっかりと準備して、ファイナルでは絶対に世界への切符を絶対に掴みたいと思っています。去年の悔しい思いがあるので、次のジャパンファイナルでは絶対に世界への切符を掴みたいと思います」。誰にも負けない海外への強い思いを表現して、世界への階段を駆け上がる。
(取材・文 吉田太郎)
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