[選手権]『経験の差』『心の余裕』が勝敗分ける…米子北が地元埼玉昌平を下す

ゲキサカ / 2014年12月31日 19時40分

[選手権]『経験の差』『心の余裕』が勝敗分ける…米子北が地元埼玉昌平を下す

[12.31 高校選手権1回戦 昌平0-1米子北 NACK]

 第93回全国高校サッカー選手権大会は31日、1回戦を各地で行った。NACK5スタジアム大宮の1回戦では、5年連続10回目の出場となる米子北高(鳥取)が、初出場の昌平高(埼玉)を1-0で下して、2大会ぶりの初戦突破を決めた。1月2日の2回戦では、中京大中京高(愛知)と対戦する。

 経験の差。言ってしまえばそれまでだが、結果的にはそれが勝敗を分けた。両監督も認める。「現3年生世代は全国大会(総体3回、選手権3回)に6回目の出場と、経験を積んでいた。そういう意味では、相手は点を取られたたあとに雑になったと感じた」と米子北の城市徳之監督が話せば、昌平の藤島崇之監督は「攻め急がないで行きたかったが、経験がない中で小さなミスが出てしまった」とうな垂れた。

 前半は地元埼玉の声援に乗って、昌平が攻めたてた。ただ前半4分のCKを主将MF長里竜成(3年)が頭で合わせるが、GKの正面。同14分には右サイドからMF松本泰志(1年)が逆サイドまで届くクロスを入れると、MF蛭間諄耶(3年)が左足ボレーで合わせたが、枠を捕えることはない。

 一方の米子北は前半はほぼノーチャンスに終わった。しかしこれは米子北のペースだった。「相手のポゼッションが上回ることは分かっていたので、ボールを回させてていた。その次を狙うというプレーが、ウチの狙いだった」と指揮官が振り返れば、MF君垣隆義(3年)も「失点は覚悟していたので、(スコアレスで折り返したことは)プラン以上だった。ラッキーって感じで話していました」と明かした。逆に昌平イレブンには前半のチャンスを決めきれなかったという思いが残った。後半の戦いぶりには経験の差から来る『心の余裕』が影響した。

 米子北は後半9分、カウンターからゴール前までボールを運ぶと、エリア内で9番君垣がMF沼田弘登(3年)に倒され、PKを獲得する。「GK(脇本健太郎(3年))が右に飛ぶのが見えたので、左に蹴り込むだけだった」。君垣が落ち着いて蹴り込み、先制に成功した。

 経験の差、心の余裕はここからより如実となった。「ちょっと焦ってしまった」と藤島監督が振り返った通り、見ている側にもイレブンの動揺が伝わってくる。米子北からすれば、こういった展開はお手の物。簡単に蹴ってくる相手に対し、跳ね返すだけという楽な守りでリードを守り抜いた。

 勢いという意味でも米子北にあったのかもしれない。米子北はプリンスリーグ中国で最後の5試合を4勝1分で切り抜け、滑り込みでプレミアリーグ参入戦へのチケットを手にした。惜しくも2回戦で大分トリニータU-18に敗れ、プレミアリーグ昇格を逃したが、1回戦ではアルビレックス新潟ユースを3-0で下すなど、強さも見せた。

 さらにその参入戦2戦で全4発を決めていた、今大会注目FW定本佳樹(3年)の得点なしでこの試合を勝ち切ることができた。「サダだけのチームじゃない。逆にサダがマークを引き付けてくれれば、自分たちが空くと思ってます」と君垣は戦いぶりに胸を張る。次なる相手は中京大中京。米子北にとっては昨年の総体2回戦で対戦し、終盤に失点し、1-2で敗れた相手でもある。リベンジマッチに向け背番号9は、「ぶっ倒したいですね」と闘志をたぎらせた。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 児玉幸洋)【特設】高校選手権2014

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