[MOM1271]岐阜工MF立花稜也(3年)_毎日の練習が結実した選手権初ゴール
ゲキサカ / 2014年12月31日 21時50分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 全国高校選手権1回戦 岐阜工高 2-1 香川西高 味フィ西]
前大会で“選手権デビュー”を果たした選手が7人スタメンに名を連ねた岐阜工高(岐阜)だが、初戦の重圧は大きかった。「何回やっても緊張しますね」。MF立花稜也(3年)はそう振り返ったが、選手が思っている以上に指揮官は気を揉んでいた。「第1試合の雰囲気に呑まれちゃって、顔色がちょっとという感じがあった」。そんな状況下で、前半16分には香川西高(香川)に先制を許してしまう。「失点しないことが勝利に近づく条件」というのが立花以下、チームの認識だったが、いきなりの失点に「焦ってはいた」という。
ハーフタイムに清本勝政監督から「気持ちを込めて、とりあえず1点を取りに行こう」とはっぱをかけられると、FW永田薫(3年)のヘディング弾で同点とする。そして迎えた後半18分、MF安田善裕(3年)のクロスから立花のヘディングがゴールマウスを襲う。いったんはGK樫根成生人(2年)に阻まれたが、すぐさまこぼれ球を左足で押し込んだ。「去年最後外したんです。今年は絶対に決めてやろうと思っていたので、決められて嬉しいです」と立花は選手権初ゴールを振り返った。
この決勝点は、練習の賜物だと清本監督は明かす。「ジュニアユース世代はあまりヘディングをしないと思うんです。そういう子たちがユースに入ったときに、まずヘディングだけでも強くなると自信にもなる。そこの自信から他のこともできるようになってくれれば」。毎日の練習で15〜20分はヘディングに取り組んでいるという岐阜工。敵将の大浦恭敬監督も岐阜工のヘディングの強さは認めるところで、実際、この日の2得点ともヘディングが絡んでいる。「ヘディングが弱い選手と、走れない選手は、トップチームでは使わない」というのがチームの指針だ。
それだけヘディングを重視するチームにありながら、指揮官は立花のヘディングシュートがゴールネットを揺らせないと思ったという。「練習からあの形できれいにヘディングで入ったことがない」。それでもゴールを奪うことができたのは、やはり練習の成果だったと指揮官。「枠にヘディングがいって、GKが弾いて、つめにいくというシュート練習を昨日20分くらいやったので、その成果が出たのかなと思います」。
得点以外にもクロスバー直撃のシュートを放つなど、岐阜工でもっとも危険な存在だった立花だが、プレーの質では不満が残る。「クロスにはあまり納得していない」。ゴールよりもアシストを持ち味とするレフティーは、「もっといいプレーをしたい」と続く山梨学院高(山梨)戦での好プレーを誓った、
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 奥山典幸)
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