[MOM1288]履正社GK安川魁(3年)_「夢に出て来た」1年前のミス、特別な思い胸にPKセーブ!!
ゲキサカ / 2015年1月2日 22時32分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 北海道大谷室蘭高 0-0(PK3-5)履正社高 NACK]
「本当は2本止めてくれるのかなと思っていたら1本だった」。履正社高の平野直樹監督はそう微笑み、「1本は止めてくれる。良く止めてくれますよ」とGK安川魁(3年)への信頼を口にした。0-0で突入したPK戦で、安川は2人目のキックを左へ跳んで左手ワンハンドでストップ。「1本しか止められなくて・・・」と苦笑いしたものの、「PKは『かかってこい』という感じです。(止めたシュートは)コースが甘かった。タイミングもバッチリ合わせられたので止められて良かったです。PKは得意なのでPKになったら勝てる自信はあった」と勝利を素直に喜んでいた。
安川は1年前、青森山田高との3回戦で6人目をストップ。8強進出の立て役者となった。だが、続く四日市中央工高との準々決勝では自身のミスで国立切符を掴み損ねてしまう。1-0の後半アディショナルタイム、相手の左後方からのFKが誰も触らないままゴール前へ流れる。安川はこれに反応したものの、痛恨のファンブル。こぼれ球を相手DFに押し込まれてPK戦に持ち込まれてしまう。そのPK戦で安川は相手の4人目と5人目のシュートを連続で止めて意地を見せたが、チームは5-6で敗戦。安川は涙を流して悔しがった。
あの悪夢の敗戦は自身を成長させる糧となった。「見返さなくても夢に出て来たりだとかシーンをはっきり覚えているので、活かしています」。試合終了間際にしてしまったミス。その課題を突き詰めてきた。この日は1点を争う展開となったが、クロスや相手の決定機への対応は最後まで乱れることなく無失点。そして個人として、チームとして「成長できた」ことを実感していた。
あのミスがあったからこそ、最後の大会へ懸ける思いは特別。この日はその思いを勝利へと結びつけた。だが戦いは始まったばかり。仲間たちと歓喜の瞬間を1試合でも多く味わうためにも、一戦一戦集中してチームの勝利に貢献する。
(取材・文 吉田太郎)▼関連リンク
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