[選手権]夏の大勝劇再び!!前橋育英が京都橘を下し6年ぶり4強進出
ゲキサカ / 2015年1月5日 19時20分
[1.5 全国高校選手権準々決勝 前橋育英高4-0京都橘高 フクアリ]
第93回全国高校サッカー選手権は5日、準々決勝を迎え、フクダ電子アリーナでは前橋育英高(群馬)と京都橘高(京都)が対戦した。夏の総体でも対戦している両校。0-4の大敗を喫した京都橘にとっては、リベンジマッチとなったが、前橋育英は前後半に2点ずつ加えると、この試合でも4-0の完勝をおさめ、08年度以来6年ぶりに4強入りを決めた。
ともにボランチを2枚置く4-4-2でスタートすると、サイドで激しい攻防が繰り広げられた。突破力のあるMF渡邊凌磨(3年)、MF坂元達裕(3年)をSHに配する前橋育英は、中盤の底で攻守の要を担うMF鈴木徳真(3年)が長短織り交ぜたボールを散らしていく。京都橘もスピードのある2人、MF大野拳弥(3年)とFW岩崎悠人(1年)をSHに配置。両校ともSBも絡んでサイドから好機をうかがう。
開始5分には京都橘に決定機。DF倉本光太郎(3年)のスローインをPA内で受けたFW中野克哉(3年)からMF仙頭啓生(3年)へ。フリーで合わせるも「力んでしまった」(仙頭)シュートは、ゴールポスト左へ逸れてしまう。
一方、昨日宿舎で山田耕介監督から雷を落とされたという前橋育英攻撃陣は「すごい気合いが入っていた」(鈴木)。左サイドでボールを受けたMF渡邊凌磨(3年)は、京都橘DFラインの背後に浮き球を送ると、FW青柳燎汰(3年)が斜めに走り込む。青柳が「頭の上を越せば入る」と放ったループシュートは、狙い通りGKの上を越えてネットに吸い込まれ、前半8分で前橋育英が先制する。
立ち上がりの仙頭の決定機以降シュートが遠い京都橘。前半30分過ぎからは左SHだった岩崎と、2トップの一角の仙頭のポジションを入れ替えるなど、工夫を見せるが、前橋育英のパスワークを前に押し込まれる時間が続いてしまう。すると同37分、鈴木が右サイドへスルーパスを送ると、DFと入れ替わったDF下山峻登(3年)がドリブルで持ち込みクロスを入れる。青柳の2点目で前橋育英が2-0で前半を終える。
後半立ち上がりは京都橘がシュートチャンスをつくる。4分に中野がFKで直接狙うがクロスバーの上へ。5分には仙頭がドリブルからシュート、さらに9分と15分には岩崎がミドルシュートを放ったが、いずれもGK吉田舜(3年)に防がれてしまう。
シュートを受ける場面が続いた前橋育英も、20分くらいからパスワークが加速。26分には青柳のスルーパスからMF小泉佳穂(3年)がGKと1対1を迎えたが、GK矢田貝壮貴(1年)が好セーブで対応した。それでも30分には坂元が右サイドからドリブルで持ち込み、左足を振り抜くと、この試合3回目のネットが揺れた。
後半アディショナルタイム2分には鈴木のスルーパスから、MF横澤航平(3年)がドリブルでPA内をかき乱すと、最後はPA内からのループシュートが決まり4点目。直後に笛が鳴り、4-0で前橋育英が流通経済大柏高(千葉)との準決勝進出を決めた。
今年のチームにとっては、総体に続くベスト4入り。山田監督にとっては5回目の選手権準決勝となるが、「準決勝は難しいですよね……」と表情を曇らせる。過去の準決勝での戦績は4戦4敗。「自分は準決勝で終わりの人なんだな(苦笑)」。山田監督は冗談めかしたが、「5回目なので勝ちたい」と同校初の決勝進出へ気合いを込めた。
(取材・文 奥山典幸)▼関連リンク
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