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[選手権]逆転、逆転の決勝、星稜が延長戦制して初優勝!

ゲキサカ / 2015年1月13日 1時31分

 ただ、高橋が相手エース渡邊凌との1対1を止め、主将の鈴木が空中戦で競り勝つなど星稜の守りは堅い。前半終了間際にはスルーパスから大田が決定機を迎えるなど、逆に突き放すチャンスをつくり出した。それでも後半立ち上がりからプッシュした前橋育英が試合をひっくり返す。8分、GK吉田のフィードが両チームの選手たちの頭上を越えて敵陣PAへ流れる。これに反応した野口が上手くDFをブロックしながら左足シュート。2年生アタッカーの渾身の一撃がゴール右隅へ吸い込まれた。追いついた前橋育英は畳みかける。10分、左サイドを抜け出した渡邊凌が対応したDFを切り返しで外すと、狙いすました右足コントロールショットを逆サイドのゴールネットへ沈めた。この間わずか2分。前橋育英が逆転に成功した。

 前橋育英は15分に渡辺星に代えて下山峻登(3年)を右SBへ投入する。ただ、前回大会決勝で掴みかけたタイトルを大逆転負けで逃している星稜はこのまま終わらない。19分、右サイドのスペースを突いた大田がカットインしながらゴールエリアへクロスを入れると、最終ラインから最前線まで駆け上がっていた原田が頭で押し込んで同点に追いついた。

 オープンな攻め合いとなった後半。星稜は21分、杉原に代えて“切り札”MF加藤諒将(3年)を投入。一方の前橋育英も同じタイミングで吉永に代えてMF小泉佳穂(3年)を送り出す。前橋育英はさらに31分、野口に代えてMF横澤航平(2年)を投入。膠着したまま迎えた40分、星稜がスタンドをどよめかせる。左CKが流れたところをファーサイドで後方へ落とすと、これを受けた大田が右足シュート。GK吉田がわずかに触ったボールはクロスバーを弾いた。前橋育英も45分に右サイドでボールを運んだ坂元の折り返しを渡邊凌が右足ダイレクトで合わせたが、シュートはGK正面。守備の集中力高い両チームは得点を許さない。そして3分間が表示されたアディショナルタイムもスコアは動かず。決着は延長戦へ委ねられた。

 前橋育英は小泉がセカンドボールを回収し、横澤のドリブルが会場を沸かせる。だが、延長前半5分、星稜が再逆転をしてのける。星稜は左スローインからPAにこぼれたボールに反応した森山が左足でニアサイドを破る勝ち越しゴール。前回大会の決勝でもゴールを決めている森山のゴールで星稜が勝ち越した。星稜は8分に平田をMF中條直哉(3年)へスイッチ。前橋育英は9分に青柳のパスからスペースへ飛び出した渡邊凌が右足を振り抜いたが、シュートは枠を外れてしまう。

 星稜は延長後半開始から大田に代えてFW大倉尚勲(2年)を投入。前橋育英は2分に坂元に代えて2年生FW佐藤誠司を送り出す。総力戦。前橋育英は3分、左CKに青柳が決定的な形で飛び込んだが、ヘディングシュートはクロスバー上方へ外れた。前橋育英はその後もPAまでボールを運んだが、星稜の運動量は落ちず。そして10分、敵陣右サイドでボールを奪い返すと森山が右足ミドルを叩き込んで4点目。大会直前に発生した交通事故によって河崎護監督が不在の中、逞しく戦い抜いた星稜が1年前の雪辱を果たして悲願の日本一に輝いた。
 
(取材・文 吉田太郎)▼関連リンク
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