伝統校復活へ、挑戦者として臨む国見が鵬翔撃破!
ゲキサカ / 2015年2月14日 11時33分
[2.13 九州新人大会予選リーグ第2節 国見高 1-0 鵬翔高 東崎]
第36回九州高校(U-17)サッカー大会(九州新人大会)予選リーグ第2節で全国高校選手権優勝6回の名門、国見高(長崎2)と12年度同大会優勝の鵬翔高(宮崎1)が対戦。後半19分にFW酒井信磨(2年)が決めた決勝点によって国見が1-0で勝った。
午前中に行われた東福岡高戦をFW平島祐貴(2年)の同点ゴールによって2-2の引き分けに持ち込み、午後の宮崎王者・鵬翔戦は1-0で勝利。10年度の全国高校選手権を最後に全国舞台から遠ざかっている名門・国見が今大会で復権への一歩を刻んでいる。鵬翔戦では前半8分、自陣PAへこぼれたボールを鵬翔FW坂本龍之介(2年)に決定的なシュートを打たれた。だが、これをCB重本修作(2年)のスーパークリアで逃れると、縦に速い攻撃から10分のMF西川隼人(2年)の左足シュートや30分にMF盛田享佑(2年)が放った左足シュートなどを打ち込んできた鵬翔の攻撃を確実に凌いでいく。
そして国見はエースFW酒井と平島の2トップをスペースへ走らせて対抗。相手の素早いプレッシャーの前に慌ててしまうシーンも散見し、必要以上に縦に速い攻撃になってしまっていたが、時にMF清光脩帆主将(2年)が中盤でタメをつくり、東福岡戦でも見せた重本のロングスローに182cmCB菅田真啓(2年)が競るなど自分たちのゲームに持ち込もうとする。そして後半には、今大会から監督を務める小嶺栄二監督が「セカンドボールがとにかくこの勝敗を分けるということで、選手に言いながらやっていました。前半は凄く取られていたんですけど、後半は取れていたので主導権を取れたのかなと考えています」と振り返ったようにセカンドボールの攻防戦で優位に。8分には右SB大場大生(2年)の右クロスにMF藤原綾哉(2年)が合わせるなど先制点を狙っていく。
鵬翔も西川の右足FKや盛田のミドルシュートで国見ゴールを脅かしたが、球際でしっかり競って、プレスを怠らないなど原則の部分で全く手を抜かない国見は失点を許さない。そして迎えた19分、国見は重本の右ロングスローのこぼれ球を酒井が右足一閃。これが鵬翔ゴールへ突き刺さった。最後まで声を懸けながら集中力を切らさなかった国見が1-0で勝利。目標の決勝トーナメント進出へ前進した。
国見OBでチームを指導して3年目となる小嶺監督は「例年、諦めないところ。そして一歩下がらないといけないところで下がっていなかったんですけど、下がるようになったり、一歩出ないといけないところで出ていなかったのが、出るようになってきたのでマジメなチームになってきた」と目を細める。まだ全国舞台へ再浮上することはできていないが、ビデオでOBたちが成し遂げた栄光の映像を見るなど国見の伝統は伝えられてきた。昨年は選手権予選で優勝した長崎総合科学大附高とPK戦にもつれ込む熱戦を演じ、今回は長崎県2位で5年ぶりの九州大会出場。着実にチームは向上してきている印象だ。「縦縞のユニフォーム着た瞬間は目の色変えてほしい。(目の色を)変えてきているので、伝統を感じるようなチームになった」と語る堀川監督は「国見の名前をもう1回上げたいとやってきたので。過去の強い国見のイメージは正直ないんですけどいる選手でやっていきたい」。
今大会は昨年の全国総体王者の東福岡と引き分け、鵬翔に勝利と好スタートを切った。まずは14日の那覇高戦を勝利して決勝トーナメント進出を決めること。主将の清光は「入る前にやってきたことはやれるシーンもやれないシーンもあるので明日につなげていきたい。守備の時は前向きにプレッシングすることと相手陣地でプレーするということはできたと思います」と語った。国見の伝統、重圧について「過去は過去で一回沈んでいるので、挑戦の方が気持ちが強いです」と語る清光。挑戦者として臨む伝統校が九州大会でひとつでも上まで勝ち上がる。
[写真]後半19分、国見は酒井が決勝ゴール
(取材・文 吉田太郎)
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