NIKE MOST WANTEDジャパンファイナル」で勝者同等のプレー見せたMF阿部はドイツで夢叶える

　勝者2名に名を連ねることはできなかったものの、「NIKE MOST WANTEDジャパンファイナル」でそれに近い評価をされていたのが、MF阿部貴憲((無所属、元SVザントハウゼン)だった。しっかりと顔を上げた体勢からのドリブルでDFの逆をとり、一瞬のキレでかわして決定機を演出。最終セレクションではゴールという結果を残すことができなかったが、1次セレクションでは抜け出しからGKをかわしてシュートを決めるなどアピールしていた。

「最初から持ち味出そうと思っていたので、そこを出せたのは良かった。自分でも結構手応えあったんですけど・・・・・・」と落選には無念の表情。それでも「行くところ、味方を使うところの判断力が欠けていた。(練習参加している)尚志とかでもそうなんですけど、プレッシャー激しい中でも行くところ、行かないところを判断して、遠くへのロングボールとか視野を広げればドリブルもより活かせると思う」と課題克服を誓っていた。

　尚志高1年時に海外へ飛び出し、ドイツ2部のSVザントハウゼンのトップチームで力を磨いてきた。現在は帰国して尚志でトレーニング中。「NIKE MOST WANTED」でチャンスを活かすことはできなかったが、5月には再びドイツへ渡り、プロにチャレンジするという。

「NIKE MOST WANTEDジャパンファイナル」のヘッドスカウトを務めた元日本代表DF名良橋晃氏はジャパンファイナル終了後、敗退した挑戦者たちへ向けて「(勝者の)2人に負けないように、2人を追い越すような成長を期待しています。日本サッカーを変えようという負けん気というか、気持ちを強く。サッカーでも、人間性でも、しっかり成長できるように、これからステップアップできるように、一日一日積極的に練習に取り組んでもらいたい」とエールを送っていた。阿部は負けない気持ちを持って、ドイツで夢を叶える。

(取材・文 吉田太郎)