劣勢の中で先制PK誘発の札幌MF稲本「今日の出来を考えると最高の結果」
ゲキサカ / 2015年3月30日 0時12分
[3.29 J2第4節 大宮1-1札幌 NACK]
立ち上がりから大宮アルディージャに押し込まれる展開が続く中、コンサドーレ札幌のMF稲本潤一が一本のパスで難しい局面を打開した。
「前回の福岡戦は、立ち上がりがすごく良かった。そのイメージで行くことを全員が意思統一していたと思います。でも、左サイドで簡単に前を向かれたり、ロングボールのこぼれ球を拾えなかったりして、後手に回って押し込まれた」と稲本は振り返る。その難しい展開の中、前半15分に自陣から右サイドのMF古田寛幸に正確無比のロングボールを送ると、古田が縦に仕掛けてCKを得る。息を付く暇のなかった守備陣に、落ち着く時間をつくる重要なプレーだった。
さらに、このCKの場面でも稲本は決定的な仕事をする。手をかけられた大宮のFW富山貴光を引っ張る形になると、ここにFW宮澤裕樹も絡んで3人がピッチに倒れ込む。岡部拓人主審は富山のファウルを取り、札幌にPKを与えた。このPKをFWナザリトが決め、札幌が1点を先制した。
「何もしていなかったので、正直、厳しい」と富山が悔しがった場面。「多少ラッキーな感じで先制点を取った」という稲本は「向こうの選手がつかんで倒してPKということでしたが、平等に見て、大宮からしたら厳しい判定だったかなと思います」と言及し、「逆に僕たちからしたら、ああいうディフェンスは今後できない。こういう場面で笛を吹く審判だと確認できたので良かったかなと思います」と、振り返った。
先制点で一度は流れをつかみかけた札幌だったが、この日は継続性がなかった。終始、大宮の後手を踏むこととなり、前半26分に直接FKを決められて追いつかれる。その後も札幌は劣勢の展開が続き、後半16分にはDFパウロンが退場するアクシデントも起きた。それでも、昨シーズンJ1を戦っていた大宮とのアウェーゲームを引き分けに持ち込んだ。
「内容的には褒められない」と話す稲本だが、同時にこういうゲームで勝ち点を重ねることが大事と結果をポジティブに受け止める。「攻撃的なディフェンスが、この前の試合よりもできなかった。結果的に同点で終われたのは、僕たちの今日の出来を考えると最高の結果だったと思う。一人少なくなり、集中してディフェンスできたのは良かったと思うし、J1に上がるチームは、こういう試合も勝ち点を取ると思うので。連戦の1試合としては、この結果は良かった。大宮は個の力は大きかったし、この結果は僕たちの方にプラスだと思う」と、連戦の初戦としては悪くない結果だと強調した。
(取材・文 河合拓)▼関連リンク
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