球際の攻防で先手を取った柏、DF鈴木「自分たちが思っているより一歩寄せよう」
ゲキサカ / 2015年4月23日 8時45分
[4.22 ACLグループリーグ第5節 柏3-2全北現代 柏]
「失点するまではよかったんですけどね」。パスワークで翻弄し、球際でも競り勝ち、その結果前半だけで3点のリード。しかし、完璧に思われた柏レイソルの試合運びは、冒頭のDF鈴木大輔の言葉の通り、3-1と1点を返されてから余裕を失った。「決定的なところをつくらせていたつもりはなかったんですけど、2本打たせたら2本決めてくる。寄せが甘くなった時間帯をつけこまれた」。自身がマークしていた全北現代(韓国)のFWイ・ドングッに2ゴールを決められてしまったことに、鈴木は悔しさを滲ませた。
「崩されたわけではない」。鈴木の言うように、サイドや中央を破られた2失点ではなかった。1失点目はクロスから鮮やかなバイシクルシュート、2失点目は強烈なミドルシュート。どちらも全北現代(韓国)のFWイ・ドングッの個人技によるゴールだ。「自分たちの流れの中でも、強引にでも向こうの流れに持っていってしまうのが恐いところ」。警戒していたアジアレベルの個の力に屈してしまったが、鈴木は前向きに捉える。「課題はハッキリしている。90分を通して個のところを抑えるだけ」。
アジアでの戦いでは球際の競り合いで後手を踏むことが多いJリーグ勢だが、前述のようにこの日の柏は韓国王者を上回る強さを発揮した。「自分たちが思っているより一歩寄せようというのはみんなで話していた」と鈴木はその要因を明かした。「試合の中でも、サイドの選手や前の選手に『もっと寄せろ』と90分間言い続けて、自分の寄せも甘くならないように心がけていました」。もっとも球際での攻防は、この試合に限った話ではない。「球際とか、競り合いは基本的なところ。勝つとか負けるとかじゃないくて、選手全員が持っていないといけない気持ちのところ」と鈴木は強調した。
公式戦で8試合連続失点となってしまったことを、FW工藤壮人は「後ろの選手のせいだけじゃない」とチーム全体に原因を求める。「3点取ってくれた攻撃陣に感謝しているし、守り切れなかった申し訳なさは大会を通じてある」。しかし、守備の要として成長を続ける鈴木は、さらなる成長を求めた。
(取材・文 奥山典幸)
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