[総体]PICK UP PLAYER vol.4_FW小川航基(桐光学園高)
ゲキサカ / 2015年7月27日 12時13分
特集企画「全国高校総体PICK UP PLAYER」
U-18日本代表・内山篤監督は親しい関係者に「FW陣に手応えがある」と話していたという。なるほど確かに、現在のU-18代表ではFW陣が競い合うように得点を量産。ストライカー不足が当たり前の各カテゴリー日本代表で珍しく、充実のラインナップとなっている。
邦本宜裕(福岡)、岩崎悠人(京都橘高)、杉森考起(名古屋)といったサイドハーフでの起用も考えられる機動系の選手たちとコンビを組むのは一美和成(大津高)、岸本武流(C大阪U-18)といったセンターフォワードタイプ。その筆頭格に挙がるのが、高校総体にも出場する小川航基(桐光学園高)である。
名門・桐光学園で1年次からレギュラーを張っていた小川だが、年代別日本代表とは縁のない選手だった。それどころか県の選抜チームからも漏れていた選手である。それが今ではU-18代表の常連選手となっている。もう少しすれば、看板選手になるかもしれない。それくらいの「成長速度」だ。
そんな小川を「とにかくサッカーに対してストイックな選手」と評したのは桐光・鈴木勝大監督。中村俊輔という「とてつもない努力家」と高校時代に同じ時間を過ごしている指揮官は、いまも選手たちに当時の中村がいかに練習に取り組み、サッカーに対しての真摯さを見せていたかを話して聞かせている。小川もそうした薫陶を受けながら、しかし極めてナチュラルに、サッカーへの真摯さを保ってきた。
一方で、「自分がどんなプレーをするのかということにこだわっていただけだった」と小川がそう振り返るように、下級生時代はプレーに関してあくまで個人ベースのところもあった。もちろんチームに貢献したいという気持ちは持っているが、あくまで「自分のプレーで」という意識が強く、試合の流れの中でその強い思いが裏目に出ることもあった。ただ、「今年に入って自覚も出てきて、少し変わってきた」と鈴木監督が目を細め、本人も「周りを観るようになった」と語るとおり、オフ・ザ・ピッチを含めて「チーム」を考えて行動できるようになっている。
チームのためにプレーするということは、小川の武器であるドリブルでの仕掛けを「殺す」ということでは決してない。状況に応じた仕掛け、周りを生かしながらドリブルを生かすという幅の獲得だ。かつて「苦手」と口にしていたポストプレーが着実な進歩を見せているのも、代表で受けた刺激と桐光での日々から「チームのために」という意識が強まった証だろう。
来たる高校総体では得点王を目指すことを公言している。そこにチームを無視してエゴイスティックにゴールだけを狙うという意はなく、嫌味な響きにも聞こえない。それは得点王という称号が、チームのためにプレーし、チームのためにゴールを狙い、そしてチームが勝っていくことで自ずと手に入るものだということを小川自身がよく自覚しているからだろう。
執筆者紹介:川端暁彦
サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』元編集長。2004年の『エル・ゴラッソ』創刊以前から育成年代を中心とした取材活動を行ってきた。現在はフリーランスの編集者兼ライターとして活動。『J論』( http://j-ron.jp/ )編集長を務めているほか、ライターとして各種媒体に寄稿。著書『Jの新人』(東邦出版)。▼関連リンク
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