[総体]「ひとつ踏み出せたかな」全国で勝つチームへ、旭川実がプリンス関西首位の大阪桐蔭撃破!
ゲキサカ / 2015年8月5日 2時38分
[8.4 全国高校総体2回戦 大阪桐蔭高 0-0(PK5-6)旭川実高 三木総合防災公園陸上競技場]
旭川実高(北海道)が0-0で突入したPK戦の末、6-5で大阪桐蔭高(大阪)に勝利。初のベスト16進出を果たした。旭川実は5日の3回戦で広島皆実高(広島)と戦う。
前半から主導権を握って攻撃していたのは大阪桐蔭の方。サイドで右MF伊東伶惟、左MF黒川圭介の両翼らが数的優位をつくって、ゴール前までボールを運んでいく。だが、クロスの精度が悪くリードを奪うことができない。旭川実は相手の切り替え速い攻守に苦しんでいたが、左SB河邊拓己と右SB佐藤真弥のロングスローやFW汐見颯の抜け出しなどオープンスペースを突く攻撃、そして初戦3得点のFW荒川勇気のミドルシュートで大阪桐蔭ゴールへ迫る。
後半、大阪桐蔭はカウンターから一気に相手PAまで押し寄せるシーンもあったが、なかなかギアが上がらず。気温35度と、北海道のチームにとっては過酷な環境だと思われた旭川実に終盤は逆に押し込まれてしまう。「北海道の気温が違うんだという感覚をもって臨まないとインターハイはダメだと思うので、かなり意識をさせてトレーニングしてきたつもりです。『暑い中で暑いと思っちゃダメ』ですよね。どれだけ動けるか」と旭川実・富居徹雄監督。懐の深いドリブルで中央突破を図る10番MF樋口岳志の仕掛けやサイド攻撃でチャンスの数を増やした旭川実は、交代出場のFW瀬川瑞己の決定的なラストパスやFW小田匠のミドルシュートなどで相手ゴールを脅かした。
大阪桐蔭のGK上田人志主将やCB實井理音の好守に阻まれたものの、終盤チャンスを立て続けにつくっていただけに、富居監督は「PKで勝ったらダメなゲームと言えば、ダメなゲームなんですよ。後半で1点2点取らないとダメ。2-1とか3-1で勝ちたいゲームでした」と首を振ったが、それでもPK戦で白星を掴む。先行の旭川実は守りの要である2人目・CB田村匠海のシュートが枠右へ外れてしまうが、決められれば敗退の決まる大阪桐蔭の5人目・MF川辺雄貴のシュートをGK鴨川優斗がストップ。そして7人目、旭川実は瀬川が意表を突くGK頭上へのシュートを叩き込んだのに対し、大阪桐蔭MF清水大輝のシュートを鴨川が右へ跳んで再び止めた。
この瞬間、旭川実の勝利が決定。富居監督は「大阪桐蔭は関西プリンスでも1位のチームなので、そういった意味ではプリンスでも、選手権でも、プレミアでも、いろんなことを考えた上でこれから先(自分たちの)基準になるゲームじゃないかという話をしていました」。12年に高校年代最高峰のリーグ戦、プレミアリーグEASTに参戦した歴史を持つ旭川実は本州のチームに勝つためにどうするかということで、トレーニングの中身から自分たちの基準を変えてきた。そしてプリンスリーグ北海道で開幕8連勝を飾ってプレミア復帰への進撃をつづけている今年、11年大会初戦でPK戦で敗れている相手であり、今年のプリンスリーグ関西で首位に立っている強豪・大阪桐蔭にPK戦で雪辱。指揮官は「本州のギリの戦いで勝つ。(押し込んでいた)最後の2分で勝たないといけない」とあくまでPK戦ではない決着を望んでいたが、それでも「ひとつ踏み出せたかなと」と前向き。全国で勝つチームへ、旭川実がひとつ壁を乗り越えた試合となった。
(取材・文 吉田太郎)▼関連リンク
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