1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. サッカー

冨樫監督「育成だけでは、こうはならない」、東京V躍進を影から支える男たち

ゲキサカ / 2015年8月10日 13時40分

 2012年に移籍してきた中後は、加入当初の印象について「我が強かった。ヤンチャだけど実際は自信もなくて、『口だけでやれてないじゃん』という感じだった」と振り返る。それでも「でも今はそういうのも少なくなっている。まだ大人になってはいないですけど(笑) 自由にやりすぎてもいけないし、彼らから自由を取ったらダメだろうし。そういう意味では、後半戦に入ってからはいい形で進んできている」と手応えを語った。

「平本さんや永井さん、一番上の二人がすごく存在感がある。そういう選手がいて、僕や優也やタム(田村)がいる。その下にはイバ(井林)がいて。いいバランスでやれていると感じる。全員に役割があるなかで、みんながその役割を果たせているからいい状態なのかなと思う」

 やんちゃな後輩たちだが、先発の背中をしっかり見ている。南が「タムさんや中さんが犠牲を払ってやってくれているから、俺たちも点を取って、もちろん守備をさぼらずにやらないといけないと思ってる」と言えば、高木大は「中後さんは良かったらすぐに褒めてくれるし、緩んだらすぐに喝を入れてくれる。イバくんは言葉はなくとも、態度で示して、チームを引っ張ってくれる。本当に助かっています」と話す通りだ。

 後輩たちへ厳しい言葉をかけることもあるという中後は「言うときは言わないと」とキッパリ。それでも若手選手へのリスペクトが根底にあるといい、「若いといってもプロ選手なので、こっちが全て言うだけではなく、しっかりと聞きたいし。そういう意味では最近はコミュニケーションを取れるようになっている」と話した。理想ともいえる上下関係がいい方向へ働いている。

 5連勝でついに自動昇格圏の2位・磐田へ勝ち点2差に迫った。8年ぶりのJ1が薄っすらと見えてきたかに思えるが、冨樫監督は「まだ第4コーナーを曲がってないくらい。ここからアゴが上がらないように。一生懸命走りたい」と気を引き締める。「つまずくことはきっとある」と先を見据えた指揮官は「でも今の選手たちなら、また前を向いてやれるから。そう信じています」と微笑んだ。外からやってきた選手たちが幹となり、下部組織出身の若手が思い思いに枝葉を伸ばす。その先に8年越しの大輪の花を咲かせるか。

(取材・文 片岡涼)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください