岩上不在の中でセットプレーから同点ゴールの松本 反町監督「ケガの功名」
ゲキサカ / 2015年10月10日 17時44分
[10.10 天皇杯3回戦 湘南2-3松本 BMWス]
指揮官からすれば、してやったりのゴールだろう。0-1で迎えた前半18分、松本山雅FCは距離のある位置でFKを得る。普段はMF岩上祐三がFKのキッカーを務めるが、この試合は負傷により遠征メンバーから外れていた。試合前日に反町康治監督は、複数の選択肢を選手たちに与えていたという。
MF工藤浩平が流したボールを、MF安藤淳が蹴り返し、そのボールをFW前田直輝が左足でシュートした。コースは良かったもののボールにはそれほど威力がなかった。それでも、死角から出て来たボールにGKイ・ホスンの反応も間に合わず、試合は振り出しに戻った。
このシーンを振り返り、反町監督は「ケガの功名というか、スペシャリストがいないぶんだけ、何かしら変化を与えないとFKから点は取れないわけですから。即興で用意したものが、うまくいきました」と、平静を保って話した。ゴールを決めた前田も「昨日、練習でみんなが上がってから何人かが『ちょっと残って』と呼ばれて『これ、やろうと思うんだけど、どう?』っていうスタンスで、『やれたらやりますよ』っていう感じでした。結構、距離があったんですがオビナと僕のシュート力を信じてくれました。素晴らしいシュートではなかったですが、打つことによって入ったので良かったなと思います」と、同点弾を喜んだ。
このゴールで試合を振り出しに戻した松本は、湘南にボールを持たれながらも要所ではしっかりと体を張って守り、前線のオビナや前田にロングボールを送った。前半は動き出しが遅かったこともあり、なかなかボールが収まらなかったが、後半に入ると少しずつボールを前に運べる回数も増える。その中で後半12分には、DF喜山康平のロングボールを受けたオビナが胸トラップから左足シュートを決めて、逆転に成功した。
第2ステージに入ってから、松本はJ1勢との対戦で複数ゴールは、3節の鹿島戦(2-0)、9節の山形戦(2-2)の2試合しかなかった。それが、この試合では後半12分にも安藤が追加点を挙げて3-1とリードを広げた。
終盤に湘南の猛攻を受ける中で、後半38分には途中出場のFW高山薫に1点差に詰め寄られるゴールを決められてしまう。後半アディショナルタイムに同点ゴールを浴びた第2ステージ第10節の湘南戦(1-1)の記憶が呼び起こされる展開となるが、松本は3-2で逃げ切り、今季4度目の対戦で湘南から初勝利を挙げた。
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