[選手権予選]風雨と光星の勢いに苦しむも王者揺るがず!青森19連覇の青森山田が全国出場一番乗り!
ゲキサカ / 2015年10月24日 20時33分
この後、左サイドの田中がポイントになって、インナーラップ、オーバーラップを繰り返す左SB北城俊幸主将(3年)が縦に鋭く切れこむシーンも増えた。先制したことで落ち着いて試合を進めた青森山田だが、逆にゴール前で手数をかけ過ぎて奪われるなどリズムが上がらない。八戸学院光星はやや急ぎすぎた攻撃を常田に跳ね返されるなど相手の懐に入っていけなかったが、いい形でボールを奪ってからの攻撃でチャンスをつくる。19分には右SB青島雄大(3年)が深い位置までえぐってクロス。24分には左サイドを崩して決定機を迎え、最後はゴール前にこぼれたボールに交代出場のFW中野捷吾(2年)が飛び込む。それでも青森山田はGK廣末が素早い反応でボールを収めて得点を許さない。この後も八戸学院光星が必死の反撃を続けたが、経験豊富な青森山田は相手の勢いに飲まれることなく1-0で勝利。「最後1点だけは絶対やるなというコンセプトだけは成功したところ」と黒田監督が評したように、苦しみながらも挑戦者をしっかりと仕留めた青森山田が19連覇を達成した。
プレミアリーグではJクラブユース、高体連の強豪を押しのけて首位に立ち、初優勝へ前進している青森山田。そのチームにとっても選手権の厳しさを味合うゲームだった。北城は「プレミアリーグと全く違って、選手権にぶつけてくる3年間の思いもあって、本当にゴール前で守備していても相手の気迫を感じました。周りから見たら技術の差とかあるように見えるかもしれないですけど、自分自身はそう思っていなくて『自分たちは力はない』『光星と五分なんだ』ともっと早く気づいて戦っていってやらければいけなかった。まだまだ『もう、走れない』というくらい走った選手もいないですし、プレミアリーグではあれだけ走れていてもこれだけ走れないのは、これが選手権なんだなと痛感しました」と反省の弁を連発していた。
それでも黒田監督が「一人ひとりがみんなスイッチを入れるということと、スイッチを入れたらブレーカーが落ちるから、ブレーカーが落ちない作業していく。そこでオレが(チームを)前に進めていく。スイッチを入れ続けることは凄く大変なことなので、だから『人にブレーカー落とさせないような作業をさせるな』と良く言うんだけど、ただこれはやらないといけないこと。それが(一人ひとり)できているのが今年のチーム」とメンタル面を讃え、「(プレミアリーグでは)取られても今までにないような神がかった逆転劇があるので。そういう意味では神様も味方してくれている年なのかなと。もうひとつ取ろうという意欲が今年のチームは凄く見える。原山のロングスローだったり、(いろいろな)武器もあることも今年の強味かなと思う」と評するチームはU-18年代トップレベルの試合で勝ちきるための強味、勝負強さも兼備。プレミアリーグの覇者として選手権との2冠に挑戦する可能性が十分にある。
北城は「本当に一人ひとりGKも代表レベルで(原山)海里もロングスローがあったり、CBも高さがあったり、神谷も一人で行けたり、個性があるので戦う闘志だったり、思いをベースにそういう選手の個性を活かすサッカーができれば日本一も夢ではないと思うので、これから練習で磨いていきたいと思います」。楽な戦いで予選を終えるのではなく、ここで厳しい試合を経験できたことは間違いなくプラス。より勝つための術を磨き、甘さ、緩みを排除して青森山田は冬を迎える。
(取材・文 吉田太郎)▼関連リンク
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連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ2015
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