名波監督の亡き父に捧げたゴール…伊野波「力を貸してくれた」
ゲキサカ / 2015年11月23日 22時51分
[11.23 J2第42節 大分1-2磐田 大銀ド]
ユニフォームの袖口から黒い喪章を取り出し、天にかざした。後半17分に先制点を決めたジュビロ磐田のDF伊野波雅彦は、指揮官への思いをゴール後のパフォーマンスで表現した。
名波浩監督の父・元一さんが今月12日に76歳で逝去。伊野波はユニフォーム下で左腕に巻いていた喪章の意味を「名波さんのお父さんが亡くなって、その思いも自分の中にあった」と明かした。
「ゴールを防いだ場面も、ゴールを押し込んだ場面も、少し力を貸してくれたのかなと。あの喪章がお父さんのところに届いてくれたらうれしいなと思います」
強い師弟関係があった。「現役時代にはマンマークした相手でもある」という名波監督からはリーダーシップも期待されていた。鹿島で2度のリーグ優勝を果たし、欧州でのプレー経験もある元日本代表DFは、しかし「そこを何とか脱皮したかったけど、なかなかできなかった」ともがいてきた。
「正直、自分のプレースタイル的に悩んだ時期もあった。このままサッカーをやっていてどうなるのかなと」。そんなときに声をかけてくれるのも名波監督だった。
「何事も先頭に立ってやれ」。そう直接、ゲキを飛ばされたかと思えば、チームミーティングで「このチームにはリーダーがいないから、みんなでやらないとダメだ」と、選手全員にハッパをかけることもあった。
そうした言葉もまた、“もっとリーダーシップを取れ”という伊野波に対する間接的な叱咤だった。「自分の心にグサリと来た。あの人は遠回しに駆け引きをするし、そういうことなんだろうなと思っていた」。指揮官の期待に応えたい。その一心だった。
伊野波自身、初めて経験するJ2での2年間。来季は3年ぶりにJ1の舞台に戻る。「正直、新たなスタートラインに立ったなと。それだけです。もう一度、チャレンジする場所に立ったなと」。伊野波はJ1復帰の喜びを淡々とかみ締めた。
(取材・文 西山紘平)
●[J2]第42節 スコア速報
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
“努力の人”がようやく手にした目に見える結果…J1初ゴール含む2ゴール決めた東京Vの綱島悠斗「そこに対して努力してきたからこそ得点を奪えた」
超ワールドサッカー / 2024年10月20日 6時50分
-
浦和撃破の東京Vが4戦残して残留決める…城福監督「牛歩のごとく歯を食いしばって前に進んだからこその結果」
超ワールドサッカー / 2024年10月20日 6時0分
-
経験豊富な指揮官も認めた「今までとは違ったもの」を発揮して執念の勝点1獲得。今季の横浜FMユースが掲げるのは「主体的な対話」と「人としてのパワーの出力」
ゲキサカ / 2024年10月16日 16時31分
-
湘南に完敗で7戦ぶりの敗戦喫した東京V…城福監督「前半は話にならないゲーム」、指揮官はチームの姿勢に憤り
超ワールドサッカー / 2024年10月7日 19時0分
-
批判に晒されるローマ主将が監督交代、批判に言及…「この状況はパフォーマンス、結果によってのみ変えられる」
超ワールドサッカー / 2024年10月3日 8時15分
ランキング
-
1大谷「左肩亜脱臼」楽観は禁物…《レギュラーシーズンなら欠場必至のはず》と専門家が警鐘!
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月29日 11時32分
-
2J助っ人の“70m独走弾”「漫画やん」 衝撃の“環境破壊”が話題「なんでJ2にいるんだ」
FOOTBALL ZONE / 2024年10月29日 7時30分
-
3ド軍が4年ぶりWS制覇へ王手 大谷翔平は2戦無安打も1得点2出塁…左肩負傷から強行出場
Full-Count / 2024年10月29日 12時43分
-
4球界の重鎮・権藤博氏はむしろ「日本の投手は投げなさ過ぎ」…沢村賞また「該当者なし」で選考基準見直し案も
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月28日 20時22分
-
5井上中日「矢野燿大ヘッド」招聘プラン立ち消えに…“元阪神監督”の看板などが足かせ
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月29日 11時32分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください