今季トップチームでプレーのFW杉森もさすがのゴール!名古屋U18が韓国王者破る:Jリーグインターナショナルユースカップ
ゲキサカ / 2015年12月17日 18時53分
12月15日、Jリーグインターナショナルユースカップが南長野運動公園総合球技場にて開幕を迎えた。第1日の第2試合では韓国KリーグU18チャンピオンの全南ドラゴンズと名古屋グランパスU18が対戦。“初招集”のFW杉森考起のゴールなどで名古屋が2-0の快勝を収めた。
試合後、名古屋の高田哲也監督が「もっとガツガツくるかと思ったら、引いて守ってきた」と渋い顔をしたように、全南はアウェイ戦ということもあったのか、序盤からしっかりセットして守る構え。対する名古屋はMF川崎健太郎、DF吹ヶ徳喜がコンディション不良で先発できず、さらにFW北野晴矢がポゴンシュチェチン(ポーランド)との契約のために渡欧しており不在。試合日に帰国したものの、当然ながらこの一戦には間に合わず。いささか役者を欠く中での試合だった。
対する全南も3年生の5人を欠く陣容。韓国では高校の公式戦が終わると、すぐに進学する大学の練習に合流するのが慣例だそうで、両センターバック、GK、ストライカー、そして右ウイングの3年生をこの遠征に帯同させることができなかった。このため、2年生中心のメンバー構成となっており、両チーム共に主力をさまざまな事情で欠く中で、奇しくも下級生が多く先発する似たような編成となった。
もっとも、高田監督にとって敵は内にありというチーム状態だったようだ。高円宮杯プレミアリーグで奇跡的残留を決めた直後から「もはや抜け殻状態」(高田監督)と、メンタル面でのゆるみが感じられたそうで、練習試合の内容も芳しくなかったという。その不安が的中するように、序盤からどうにも攻撃がかみ合わない。個人での仕掛けが実りかけることもあったが、「引かれても崩すというところでは、すべてが足りていなかった」(高田監督)。それでも先制点を奪い切ったのは、力の差の証明か。前半のラストプレーで相手にできたスキを逃さなかったのはMF田中彰馬。カットインからのシュートを見事にたたき込んで、名古屋が先制点を奪い取った。
ハーフタイムからは、今季専らトップチームでプレーし、U18チームには帯同することすらなかった杉森を投入。すると「ユースへ行くからにはしっかりプレーで見せなきゃいけないと思っていた」と意気込む杉森がいきなり魅せた。後半3分、「中で待っていたら良いボールが来た」という杉森は正確なボールコントロールから流れるようにシュートを突き刺し、貴重な追加点を奪い取る。高田監督によるとコンディション的にはベストではないそうで、得点後は消えている時間も長かったが、それでも得点という結果を残すあたりはさすがだった。
「みんなとは久しぶりで、コンビネーションは合うところも合わないところもあった」という杉森だが、それでも「楽しかったです」。名古屋の育成組織でともにプレーきた同世代選手たちとの充実した試合となった。試合はこのまま2-0で閉幕。DF池庭諒耶、青山夕祐を軸とする守備陣がほころぶシーンはほとんどなく、まず完勝と言っていい内容での白星となった。
[写真]“高校生Jリーガー”杉森もゴール。名古屋U18は快勝発進した
(取材・文 川端暁彦)
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