[選手権]歴史を刻んだ1勝!逆転勝利の駒澤大高、初の8強進出!!
ゲキサカ / 2016年1月5日 0時42分
[1.3 全国高校選手権3回戦 松山工高1-2駒澤大高 駒沢]
50年ぶりのベスト8入りを目指す松山工高(愛媛)と、史上初の8強進出に懸ける駒澤大高(東京B)。意地と意地がぶつかり合った第94回全国高校サッカー選手権3回戦は、地元の声援を受けた駒澤大が逆転勝利を飾ると、5日に行われる東福岡高(福岡)との準々決勝へと駒を進めた。
序盤は松山工のダイナミックなサッカーが駒澤大を押し込んだ。つなぎの部分でイージーなミスが目立ったものの、勢いを持って攻めると試合のペースを握った。高い技術を持つFW野川稀生(3年)を起点に攻撃を仕掛けたが、先制点には至らなかった。
DF高橋勇夢(2年)とDF長井虎之介(2年)が負傷のためベンチ外となり、「選手たちも動揺した顔をしていた」という駒澤大高(東京B)の大野祥司監督。苦しい選手事情を抱えながらも徐々に流れを引き寄せると、シュートは1本しか放てなかったがスコアレスでハーフタイムを迎える。
後半に入ると、両チームともに得点を重ねる。松山工は野川がDF佐藤瑶大(2年)に倒されて得たFKで自らキッカーを務めると、鋭い弧を描いてゴールに向かったボールをDF志摩奎人(1年)がコースを変えて先制点を奪う。
「ドリブルがキレキレで嫌な相手でした。苦労しました」と野川を讃える佐藤だが、起死回生の同点弾で汚名を濯ぐ。先制を許した8分後の後半11分、FW野本克啓(3年)のFKを打点の高いヘディングがとらえた。「全国でも通用する」と自負するストロングポイントで、試合を振り出しに戻した。
連戦による疲労を考慮して「ボールを失わなければ守備をしなくていいので休める。そういうメンツを後半にとっておいた」という大野監督は、ボランチで先発していたMF竹上有祥(3年)とMF春川龍哉(3年)を下げて、FW岩田光一朗(2年)とMF菊地雄介(2年)という攻撃的な選手を投入すると、その采配がズバリ的中する。後半28分、松山工ゴール前でのこぼれ球を「左足のシュートには自信がある」という菊地が振り抜くと、シュートは松山工ゴールに突き刺さった。
「ラインを上げられるチャンスがあれば上げろと言われていました。中盤をコンパクトにしてセカンドボールを拾いやすいようにしました」とCBの佐藤が言ったように、駒澤大はDFラインを高く設定した。松山工に裏のスペースを突かれる場面もあったが、リードしてラスト5分を切っても、両SBも対面の選手に対して高い位置までプレッシャーをかけた。「押し込んで勝つ」。駒澤大の勇気が松山工の攻撃の手を奪い、勝利を呼び込んだ。
2回戦で50年ぶりの勝利をおさめた松山工は、1965年度以来となるベスト8入りを前に涙を呑んだ。「2回勝つのはまだまだ……。ただ、2回勝つ手がかりは見つかった」と坂本監督は言葉を噛み締める。「集中力、技術力、メンタル」を磨くことで、「もう1回この舞台に立たせてあげたい」と再び選手権に戻ってくることを誓っていた。
「とにかく下手」と大野監督に言われ続けてきた駒澤大は、比較されてきた2010年度のチームが達成したベスト16という記録を破り、同校の最高成績となる8強入りを果たした。「下手だけど、いままで努力してきた大きさや頑張りは心に響いている」。指揮官は誰よりも選手たちの努力を知っている。
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 奥山典幸)▼関連リンク
【特設】高校選手権2015
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ2015
DAYS×ゲキサカ連動企画「全国のつくしを探せ!」特設ページ
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
悪コンディションで難しい試合展開も勝つことを重視。“1-0で勝ち切れる”西目が夏冬連続全国出場へ王手:秋田
ゲキサカ / 2024年10月23日 13時48分
-
PK戦で狭山ヶ丘を振り切り3回戦進出。苦闘続くも、伝統校・武南はトレーニングと準備を大切にまた成長して次戦へ:埼玉
ゲキサカ / 2024年10月22日 18時41分
-
[プリンスリーグ関東1部]9戦未勝利の前期から積み上げた桐生一がセット2発とタフな守りで後期3勝目。選手権予選へ弾みの1勝
ゲキサカ / 2024年10月13日 8時20分
-
負けん気の強い世代が白星を重ねながら成長。駒澤大高は1本を大事に、夏冬連続での全国出場に挑戦
ゲキサカ / 2024年10月9日 20時47分
-
上手くて戦う集団に。トップの強さからも学ぶ町田ユースが都1部制覇とプリンス関東昇格へ大きな1-0勝利
ゲキサカ / 2024年10月8日 21時48分
ランキング
-
1大谷「左肩亜脱臼」楽観は禁物…《レギュラーシーズンなら欠場必至のはず》と専門家が警鐘!
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月29日 11時32分
-
2J助っ人の“70m独走弾”「漫画やん」 衝撃の“環境破壊”が話題「なんでJ2にいるんだ」
FOOTBALL ZONE / 2024年10月29日 7時30分
-
3ド軍が4年ぶりWS制覇へ王手 大谷翔平は2戦無安打も1得点2出塁…左肩負傷から強行出場
Full-Count / 2024年10月29日 12時43分
-
4球界の重鎮・権藤博氏はむしろ「日本の投手は投げなさ過ぎ」…沢村賞また「該当者なし」で選考基準見直し案も
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月28日 20時22分
-
5井上中日「矢野燿大ヘッド」招聘プラン立ち消えに…“元阪神監督”の看板などが足かせ
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月29日 11時32分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください