[新人戦]大物感漂う注目素材!アルゼンチン系の188cmレフティー、桐生一FW狩土名禅
ゲキサカ / 2016年2月7日 10時0分
[2.6 群馬県高校新人大会準決勝 前橋東高 1-3 桐生一高 群馬県立敷島公園サッカー・ラグビー場]
桐生一高のU-18日本代表FW狩土名禅(2年)が注目度を高めている。桐生一が多くの選手をテストするという狙いで新人戦に臨んでいるため、この日の準決勝はウォーミングアップのみで出場機会なし。会場を訪れたJスカウトたちにその能力を示すことはなかったが、田野豪一監督が「(鈴木)武蔵の時よりも上手い。スピードは(鈴木武蔵よりも)ちょっとないですけど、ドリブルしているときは変わらない。パスはちょっと上手いかな」と説明したように、OBのU-23日本代表FW鈴木武蔵の高校時代と比較しても遜色ない実力があることを感じさせる大器が、今年の注目プレーヤーのひとりであることは間違いない。
アルゼンチン人の父と日本人の母を持つ狩土名は、スピードも兼ね備えた188cmの大型レフティー。現在ニューヨークに住んでいる父親の仕事の都合で6歳から15歳までアメリカで過ごしたFWは「日本でやりたい」と高校を探し、「田野豪一監督と中村(裕幸)先生と話してこの人たちなら高いレベルに連れて行ってもらえると思って」桐生一進学を決めた。昨年も全国高校総体に途中出場するなど期待された存在だったが、「去年は自分が全然出せなかったというところもあってチームメートとも噛み合わなかったと思う」と首を振る。インパクトを残すことが出来ていなかったが、トレセンで評価されて今年1月のU-18日本代表ロシア遠征メンバーに初招集。本人も「ビックリした」という年代別日本代表入りによって一躍その名を轟かせると、帰国後も田野監督が「シュートが良くなっている。ちょっと自信ついた」と変化を示しているという。
本人は手応えと課題を感じて帰ってきた。「自分は(代表の活動が)初だったので最初は緊張したんですけど、試合を重ねていくうちに緊張が取れて、課題はたくさんあったんですけど自分は出せた方だと思います。向こうに行くと決定力が全てなので、FWだったら決定力なければ生き残っていけないから磨いてはいますね。自分は身体能力とかで選ばれた部分があるので、スピードに乗ったプレーをしながら止まらないプレーをして、チャンスはつくれたんですけどゴールは取れなかったのでそこは課題ですね」
先輩である鈴木武蔵の活躍などは刺激になっている。「武蔵さんはこの時期にも(代表に)呼び続けられていたんで、自分もそういう面ではもっと頑張らないといけないし、まずは日本で結果を出さなければ呼ばれないし、頑張らないといけないですね」と口にする。「自分は身体能力があった上で技術面が優れているというところを見せたいですね。(理想は)身体能力だけだったら足が速い、背がデカイ、左利き…。それはそれで特長だと思うんですけど、その上にスピードに乗ったドリブルとか、シュートとか、収めるとか、細かいところもできるんだなという選手。(それら)全部の中で点取れる選手。だから高校で言ったら(桐光学園から磐田入りした)小川航基選手のように常にゴールを狙う選手は目指していますね」。昨年はまだボールの置き方の質が低くサイドでプレーすることが多かったが、チームは今年、前線で起用する方針。その中で狩土名は自信を持っているハイレベルの身体能力と技術をより表現して群馬、全国を驚かすことができるか。「今年は全国に出れるように桐生第一で頑張るんで。自分の特長をチームに活かせるように頑張っていきたいです」という注目株が、結果をの残し続けて16年の高校サッカーシーンの主役になる。
(取材・文 吉田太郎)
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