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全日本を牽引する、新チームのキャプテン務めた阪南大MF重廣の変化と覚悟

ゲキサカ / 2016年3月10日 15時53分

 ピッチ外でも責務を果たした重廣は、主将に就任したばかりの時を思い出しながら、「最初は俺が何かを言うと、シーン……ってなるので、これは辛いとなっていたんですけど、今はそういうのはないです」と成長ぶりを語る。チーム立ち上げから迎えた最初の大会。厳しい船出となったが、重廣主将の下、チーム全員で乗り越えると、より団結した。

 教え子の姿をスタンドから見守っていた阪南大の須佐徹太郎監督は「しっかりと自分を見せていて、ゲームに落ち着きを出しているし、動くことで活性化もさせている。なかなかキャプテンシーを発揮していたんじゃないか。しっかりやっていたと思います。攻守の貢献度が高く、素晴らしかった」と奮闘振りを称える。
 
 なお、重廣を主将に任命した理由について、宮崎監督は「前回のユニバを経験しているということもあるし、チームを引っ張る資質はあるけれど、基本的にはそういうのをあまり表に出さないタイプ。出来ればこういうことをきっかけにして、チームをまとめ、引っ張るのを表に出す選手になってほしいなと思った」と明かす。

「このチームには、何もしなくてもキャプテンっぽい雰囲気を持っていたり、チームをまとめるという子はたくさんいる。そうではなく、そうしなければいけない人がなることが大事。そういう理由です」

 指揮官の思いは重廣も理解。「僕なりに宮崎さんの思いを感じたつもりだし、前回のメンバーに入っているという以上は、前回のチームのいいところをこのチームに還元していく責任もあると思う」と話すとおりだ。監督の思いに応え、仕事を全うした。

 小学生以来となる主将という経験を経た重廣は「今回をきっかけに、もっと自分に自信を持ちたい」と言う。ユニバーシアード日本代表にも選出され、大学サッカー界の先頭集団を走るMFだが、意外にもネガディブ志向。これまでは「変に自信を持ってミスするよりも、元から自信を無くしてやって、成功したときの方が、“おっ、できるやん”ってなるので」という考え方だった。

 しかしながら、そんな考え方とも別れる時がきた。「今回の経験を自信にしたい。堂々とできたし、メンタル面も強くなったかな」と微笑む。胸を張るだけの経験は積んだはずだ。

 主将として臨んだ大会を終えたMFは今後へ向けて「キャプテンではなくても、中心になって引っ張っていきたいと思う」とキッパリ。「今回キャプテンをやったことを少しでも阪南に還元したい。この姿勢を貫いて、阪南でも引っ張っていけるように」と誓った。

 元々、内側には熱い思いや闘争心を秘めながらも、ポーカーフェイスを貫いていた重廣。しかし今大会を通じて、言葉や態度で示すという自己表現を身につけた。大学3年生になるのを前に、選手としてのステージを上げるいいきっかけになったに違いない。まだキャプテンマークに違和感があるようだが、慣れるのも時間の問題。胸を張って全日本大学選抜を率いる重廣に、迷うことなく皆がついていくはずだ。

(取材・文 片岡涼)●第30回デンソーカップチャレンジ宮崎大会特集
●2016年全日本大学選抜特集

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