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これぞキャプテン長谷部の力…“わずかな時間”で組まれた円陣で意思統一

ゲキサカ / 2016年3月25日 4時8分

これぞキャプテン長谷部の力…“わずかな時間”で組まれた円陣で意思統一

[3.24 W杯アジア2次予選 日本5-0アフガニスタン 埼玉]

 普段着である4-2-3-1を脱ぎ捨て、中盤をダイヤモンド型にした4-4-2という新たな戦闘服を身にまとって試合に臨んだハリルジャパン。しかし、試合序盤はこの新システムがいまいちしっくりこなかったようだ。すると、一瞬生まれた時間を使ってキャプテンのMF長谷部誠が動いた。

 前半28分、相手選手がピッチ上に倒れ込むと、なかなか起き上がることができずに試合が止まる。わずかに生まれた時間で長谷部がチームメイトに声を掛けると、選手全員がセンターサークル付近に集まって円陣が組まれた。そして試合が再開されると新システムが徐々に機能し始め、後半のゴールラッシュへとつながった。

 少し遅れて円陣に加わったGK東口順昭が「『セカンドも取れているのでもっと放り込んでもいい』ということ」、MF柏木陽介が「落ち着いてやろうと話した」と語ったように、話された内容は複雑なものではない。しかし、この“わずかな時間”がチームに与えた影響は大きかったようだ。

「ちょうど相手が倒れていてハセさん(長谷部)が集めて話し合いましたが、その時間があったのは良かったし、大事なこと」と柏木がキャプテンの動きを称賛すれば、MF清武弘嗣も「試合中にハセさんが集めて話すことはあまりない。ちょっとの時間だったけど、皆の意見を共有できて、後半は流動的な良いシーンをたくさん作れた」とこの時間での意見交換がチームにリズムをもたらしたと振り返った。

「前半は相手のマンツーマンを外し切れない部分もあったので、きれいにやるよりは少しロングボールを狙ったりということはした」とバヒド・ハリルホジッチ監督の「ピッチの中で臨機応援にやれ」という言葉を実践した長谷部。しかし、「SBをもう少し上げる予定だったけど、少し低くなった。低くなった分、サイドの裏のスペースもうまく使えれば良かったと思う」とまだまだ試合の流れの中で修正すべき点はあったと話した。

 1ボランチに入った新システムに関しては「やっている感覚としてはそんなに悪くなかった」と手応えを感つつも、「今日は危ない場面は作られなかったけど、最終予選に行ったときに守備の部分はもう少し周りとコミュニケーションをとらないと難しい」とさらなる強敵が待ち受ける最終予選に向けて、システムの熟成は不可欠だとしている。

(取材・文 折戸岳彦)
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