[浦和カップ高校フェスティバル]「特別なピッチ」駒場で新1年生たちが奮闘、浦和ユースが頂点に
ゲキサカ / 2016年4月5日 21時44分
[4.5 浦和カップ高校フェスティバル決勝 浦和ユース 2-0 中央学院高 駒場]
4月5日、平成28年度・第36回浦和カップ高校サッカーフェスティバルの決勝戦が浦和駒場スタジアムにて開催され、地元・浦和レッズユースと千葉の新鋭・中央学院高が対戦。前半に2点を挙げた浦和が逃げ切り、「僕らにとって特別なピッチ」(大槻毅監督)である聖地・駒場でのファイナルを制した。
連戦に加えてこの週末にはプリンスリーグ関東の開幕戦を控える浦和は、昨年のU-15日本代表候補にも選ばれていたMF池高暢希(SSSジュニアユース出身)ら新1年生6人が先発。「果たしてどこまでできるか」(大槻監督)という首脳陣の不安と期待を込めたフレッシュな陣容でこの試合に臨んだ。
それでも主導権を握ったのは浦和だった。唯一3年生として先発に名を連ねたDF轡田登を中心とした後方からのビルドアップで相手を押し込んでいく。29分には1年生DF北村龍馬のミドルシュートが逸れたところを、MF樋口颯太が巧みにコントロールしてフィニッシュへ持ち込み、早くも先制点を奪い取る。そのキックオフ直後にも相手ボールをすかさず奪い取った流れから、FW甲斐崇史が猛然とドリブル突破。そのままシュートまで突き刺し、浦和が瞬く間に2点のリードを奪った。
対する中央学院はBチームで今大会に臨みながら、ここまで勝ち進んできた。「本格的な試合経験のない選手ばかりなので、予選リーグはもうどうなることかという内容」と宮本笙太コーチが苦笑を浮かべる出来だったと言うが、徐々に雰囲気にも慣れて「自信もついてきた」(同コーチ)。この決勝も前半は相手に気圧されるようなムードもあったが、後半は「上手さでも強さでも勝てていないオマエらが頑張りでも負けてどうする」というコーチの叱咤に応えるように奮起。プレスバックが素早くなり、相手の自由を奪うことに成功。自信を持つ足元の技術を生かした崩しも出るようになって「やっとウチのペースになった」(宮本コーチ)。
結果的には「『そこを決めておけよ』というのを全部外した」と宮本コーチが肩を落としたように、決定力を欠いてカップには届かず。ただ、準優勝という結果は「上手さのある子は元々いる中で、自信になる流れだった」と振り返ったとおり。ドリブル重視のスタイルはAチームと共通するものだが、この春に関しては「技術的なことは何も言っていない。“サボらない”をテーマにして、頑張りのところと球際のところをひたすら強調しながら試合を重ねてきました」。そう言った宮本コーチは「結果としてほとんど負けていないですし、Aチームにプレッシャーをかけることができる試合結果を残せたと思います」と胸を張った。
一方、浦和にとっても収穫の多い大会だった。メンバーを大きく入れ替えながらの勝ち残り。「『試合に出たい』という気持ちをみんなが出してくれて、結果としてGKの一人と負傷者を除いた全員を試合に出すことができた」と大槻監督は満足げに振り返る。聖地・駒場の芝をフレッシュな選手たちに踏ませた経験値はシーズンの中で効いてくるはず。「今年はいろいろなモノが上積みできている感覚がある」と語る大槻監督のターゲットはもちろん、プリンスリーグ関東。「今年は下(残留争い)でシビれるゲームをするのではなく、上(優勝争い)でシビれるゲームをしたいと思っています」と力を込めた。
(取材・文 川端暁彦)
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