選手権のPK失敗が転機…MF吉田知樹は「サッカーを辞める」からいわきFC入団を決断
ゲキサカ / 2016年4月11日 7時35分
[4.10 福島県社会人2部 いわきFC8-0グロリーズ福島 いわきGF]
10日に行われた福島県社会人リーグ2部開幕戦。いわきFCのMF吉田知樹(18=明秀日立高)は高卒選手で唯一のベンチ入りを果たすと、後半10分から途中出場した。
すると出場からわずか2分後の後半12分、右サイドから上がったクロスに左サイドでフリーになっていた吉田が右足で合わせて早速ゴール。同33分には中央をドリブルで上がると、ミドルレンジから右足を一閃。豪快なシュートをゴール右隅に突き刺した。「もう1点。クロスのやつ惜しかったですね」。鮮烈デビューを飾った吉田だが、後半アディショナルタイムに迎えたビッグチャンスを外したことで、恥ずかしそうに頭をかいた。
高校卒業と同時にサッカーを辞めようと思っていた。明秀日立高の10番を背負っていた吉田だが、卒業後は接骨院で働きたいという将来の目標のため、福島県内にある理学療法士になるための専門学校に進学することを決めていた。
しかし今年1月、状況が一変する。茨城県大会を制して、初出場した全国高校選手権の1回戦で優勝候補の一角だった四日市中央工高に逆転勝ちして勢いに乗ると、1月2日の2回戦で準優勝した國學院久我山高に後半ラストプレーで追いつく驚異の粘りを見せて、PK戦にまでもつれ込む熱戦を演じた。
本来であれば、吉田にとってはキャリアに終止符を打つ大会だった。しかし、運命は吉田に試練を与えた。4人目で蹴ったPK戦。前の2人が失敗していたことで、吉田が失敗すれば、その時点で試合終了となるキックだった。だがボールは無情にもゴール左に外れる。その瞬間、「またサッカーがやりたいな」という思いに頭が切り替わった。
そんな折、声をかけたのがいわきFCだった。それまで関東の大学から声をかけられても断っていたという吉田だが、迷った末に入団を決意。「地元に何も恩返しが出来ていなかった」と、中学校までを過ごしたいわき市への思いに逆らうことは出来なかった。
この日は両親の目の前で活躍することが出来た。「自分の特長はドリブル。ドリブルからシュートというのが最近はなかったので、きょう点が取れたのは大きかったです」。地元の大声援を力に変える18歳が、サッカーを通してのいわき活性化に一役買う。
(取材・文 児玉幸洋)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
地元開催の「神栖ワールドユースフットボール」で意地の同点弾。明秀日立MF柴田健成は選手権、大学へ向けて夏のレベルアップ誓う
ゲキサカ / 2024年7月15日 2時55分
-
初のインハイで能登、石川県全体に「笑顔や勇気を」。鵬学園が神栖ワールドユースフットボールで明秀日立と好ファイト
ゲキサカ / 2024年7月14日 23時29分
-
怒涛の立ち上がりで静学を飲み込み、8-1。プレミアWEST首位の大津が7連勝
ゲキサカ / 2024年7月1日 21時44分
-
個人、チームで再現性を出した崩し。三重がタフな四中工をPK戦で下して「一歩前進」の三重決勝進出
ゲキサカ / 2024年6月26日 19時24分
-
先発復帰のムバッペvsレバンドフスキが競演PK弾!! V候補フランスは連続ドローでGL2位通過
ゲキサカ / 2024年6月26日 3時49分
ランキング
-
1篠原信一が「銀」に泣いたシドニー五輪「世紀の誤審」から24年 柔道界の鉄人が指摘する「国際試合ならでは」の事情
NEWSポストセブン / 2024年7月23日 11時15分
-
2《性的暴行で逮捕》佐野海舟容疑者、オンラインサロン上に“新規メッセージ”でファンが騒然「僕はひたすら待ち続けます」
NEWSポストセブン / 2024年7月23日 11時15分
-
3巨人・坂本勇人「一軍に居場所なし」…球宴前最終戦は出番なし、後半戦は二軍で“塩漬け”も
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月23日 6時12分
-
4トロント地元紙 菊池雄星はトレード濃厚と報道「来週以降もブルージェイズで投球する可能性はゼロに近い」
スポニチアネックス / 2024年7月23日 10時10分
-
5甲子園に18年ぶり「斎藤佑樹」!宮城・聖和学園が初V 「ハンカチ王子」優勝翌年に生まれた同姓同名投手
スポニチアネックス / 2024年7月23日 13時27分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください